昨日の晩、久々に友人のマイケルと会い一時間半くらいおしゃべりしていました(彼についてはこちらを参照ください)。自分への備忘録も兼ねて、そのときの会話の様子を一部再現してみたいと思います。でも別に会話を録音していたわけでななく、特に印象に残っている話を基に自分自身の記憶をたどっているだけなので、実際に話した内容に自分なりの味付けが入ってしまうことは避けられません。あくまでフィクションとして読んでいただければと思います。
----- 「この前会った時はちょうど秋学期が始まった直後だったけど、秋学期ももうすぐ終わるんだよねー。いやー時が経つのは早いよー。」 「今学期の調子はどう?」 「昨年と比べればだいぶ楽かな。精神的に。昨年の今頃は本当に慣れるだけで大変だったし、いろんなものがそれまでの自分にとって違うものばかりで苦労したよ。でも今年はその時より負荷の高い科目をとっていても割と平気だし。それに、各科目で習う内容そのものだけでなくて、それを受けて自分がどう考えるかというところまで高められることができているような気がする。」 「それは良かったね。学校生活はうまくいっているとして、それ以外の面ではどうなの?」 「それ以外って?」 「それ以外。」 「(話をそらす)う~ん、学校外の生活というと、あんまりないかな。遊びも学校が主催するボートクルーズとか各種イベントに参加しているけど、それで結構楽しいし、今学期は今までより学校のイベントに参加しているかもしれない。それ以外はほとんど学校と家の往復で、ボストンのダウンタウンまで出る時間なんて全然ないよ…。でも引越しして学校が近くなったし、いろいろな面で動きやすくなったというのはあるかもしれない。そういうあなたはどうなのよ?」 「9月に上海に行って、自分の生活とかやりたいことができるような環境整備をしてきた。今ボストンでやっているコンサルティングの仕事も結構忙しくって…(その後いついつにどこどこに行くという話が延々と続く)。そういえばこの前の旅行は楽しかった?」 彼が私に話してくれた、彼のやりたいことに関する話は詳細はここには書きませんが、「さすが目のつけどころが違うなー」というものが多かったです。 「うん。ラスベガスは本当に人工的な感じだっし、カジノも全然やらなかったけど、あそこまで徹底して人工的なものをつくってしまったのを見るとそれはそれで感心かも。自由の女神とかエッフェル塔とか、何でホテルにそんな装飾があるのって感じですごかったよ。さすがに日本のラブホテルもあそこまではやらないと思う。ラスベガスだけでなくてグランドキャニオンやザイオン国立公園にも行くことができたし、全体としてはとっても楽しかったよ。」 「別にカジノをやらなくてもラスベガスは楽しいところだと思うよ。そういえば僕もラスベガスに今週末行くんだ。ちょっと遊んでこようかなと思って。」 彼の親しい友人がラスベガスに住んでいるということは、だいぶ前に聞きました。 「ラスベガスに行ったらカジノはやるの?やるとしたらどれ?」 「僕はバカラをやるかな。」 多くのカジノでは、バカラは仕切られた別室で行われていることが多いです。彼がバカラをやっている姿はさぞかし絵になるだろうな…と頭の中で想像してしまいました。正装してディーラーと駆け引きしている姿とか…きゃぁ、妄想が膨らんでしまいます。 「でもバカラって一回あたりの最低賭け金が大きいんじゃないの?100ドルとか…。それにバカラって単純に確率に依存するゲームだし。私の場合確率を勉強したりしているせいか、どうもああいうのはやる気が起きないんだけど。」 「まあね。でもカジノをすることの目的は儲けることより自分の精神状態を高めるトレーニング的要素が大きいと思う…もちろん勝つときもあれば負けるときもあるけど。例えば何回か負けが続いていて、続けるかやめるかを決めなければならないとするよね。でも次の回に当たりがくるかもしれないし、こないかもしれない。それはわからない。でもお金も減っている。そんな中どういう精神状態でどちらの決断を下す自分がいるのかを分析するのは面白い。」 緊張感張り詰める空気の中でも努めて冷静になることを自分に課している彼らしい一言。うっ、私はまだそんな境地に達していない…。そもそも、達する必要があるかという別の問題がありますが。それに、普通の男がこんなこと言っていても「何かましてんねん」と思ってしまいますが、「ふんふん」とうなずかせてしまう雰囲気を持っているのが彼のすごいところでもあります(かなりバイアスがかかっていることは否めませんが)。 「なるほどね。緊張する精神状態に置かれると人はreactiveになってしまうところがあるから、そこで自分の内なる声を聞いてrespondするって難しいけどいいトレーニングになるかもね。ところで今学期とっているリーダーシップの授業で、自分を生きることの難しさについて話し合ったことがあるんだけど、私からみてあなたは本当に自分を生きている感じがしてうらやましいよ。」 「え?何でそう思うの?」 「何ていうか、誰が何を言おうと気にしないって言う感じじゃない?もちろん人の意見を聞く謙虚さは持ち合わせているだろうと思うんだけど、それを自分の行動に反映させるかどうかはちゃんと自分で決めてるじゃない。それに最終的に "Who cares?" って開き直る強さも持ち合わせているし。」 「そうかなぁ…。確かに人の言うことについては "Who cares?" って思うけど、君にはそう映るんだ。」 「私は人の言うことを気にしないようにしているつもりだけど、やっぱり気にしてしまうから。日本で女性はこうあるべきだみたいな社会的規範(social norms)になかなか当てはまらない自分がいて、そこから自由になりたいけど自由になりきれていないというか。で、仮に自由になれたとして、じゃあ一体自分って何なの?という別の問題に対する答えを探そうとする作業もしんどいのよ~。」 「へぇ~、そういうものなんだ。」 いいわねぇ、他人事で。 ----- 彼とは今までいろいろな話をしてきましたが、一番印象に残っている一言は「人生とはポジションをとることなんだ」というものです。彼の文脈によると、ポジションをとるということは、不確定要素がある中で「自分はこうなんだ」と思って行動し切ることだと思います。これは非常に難しい。 今回はお互い時間がなくて私の家の近くで軽く飲んだだけでしたが、久しぶりだったのでとりあえず会えただけでよかったです。次に会うときはもっといい食事に連れて行ってよね、と言って別れました。
by coast_starlight
| 2006-12-01 08:00
| 日々の出来事
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