<旅行> 南アフリカ共和国/ヨハネスブルグ (その1)

國泰航空を乗り継ぐこと約20時間、南アフリカのヨハネスブルグへ用事があったので行ってきました。アパルトヘイト以降ヨハネスブルグの治安は非常に悪く、経済活動の中心地はサントンなどの郊外の街に移っています。これらの郊外にあるショッピングモールやテーマパークのようなところは普通に歩けるのですが、それ以外だと外を歩くのは非常にためらわれます。モール内のお店でも宝石屋などは入り口に頑丈な扉があり、営業中でも店に入りたければ中にいる警備員に開けてもらわなければいけません。今回の宿泊先はショッピングモールに直結したホテルだったので歩いて行けるお店は多かったですが、そうでないとちょっと不便で仕方ないだろうな、と思いました。

a0079741_0195311.jpg土曜日一日空いていたのでガイドつきツアーを現地事務所の方がアレンジしてくださり、いろいろなところを回ることができました。デニスという黒人のおじさんが終日私一人の相手をしてくれたのですが、このおじさんがいないと私はどこにも行けませんでした。朝9時前にホテルに迎えに来てもらい、まずその日の予定を話してくれたのですが「まずヨハネスブルグ中心地に行ってアフリカ伝統医学の薬局を見学、その後カールトンセンターで展望台に登ろう。その後ソウェトのネルソン・マンデラが投獄前に暮らしていた家を見て…」と言われたときは一瞬「ほ、本気かよ」と思いました。でもこのおじさんが一緒なら道もわかっているし車もそんなに新しい車じゃないし外を歩きさえしなければ大丈夫だろうな、とその通りにすることにしました。デニスさんが言うには、やはり治安が悪いのでテナント料を安くしてもテナントが入ってくれず、不法占拠されているビルも多々あるようです。アパルトヘイト時代にあった多くの企業の拠点が治安悪化により郊外に移転したことにより、見た目はそこそこキレイなビルでも中は空洞…というところが多いようです。しかし一部企業や公益法人があえて市内に拠点を戻すことにより経済活動を取り戻し、ひいてはヨハネスブルグ市内の空洞化を改善しようと努力しています。例えばABSAという南アフリカの大手銀行は市内中心部の高層ビルに本社機能を置いていたり、公共交通を運営するトランスネット社はカールトンセンター(展望台があるショッピングセンター)内にオフィスを構えています。毎日通勤する人は大変かもしれませんが…。

a0079741_0121719.jpga0079741_0134148.jpg最初に行ったアフリカ伝統医学の薬局がある場所はあまりパッとしないものの、ここだけは他にも白人ツアー客が多く訪れていました。中にはいろいろな動物や木の皮を乾燥したものが所狭しと置いてあり、動物のはく製も置いてありました。独特のニオイが漂っているものの異臭というわけではなく(よい香りとも言えませんが)、そこに足を踏み入れること自体は特に問題ありませんでした。「君の国の薬局と比べてどうだい?」と言われたので「日本でも漢方というものがあって、動物の皮は聞いたことがないですが植物の皮や根っこは使いますよ」と答えました。

a0079741_0131541.jpgその後カールトンセンターに車で向かったのですが、不案内な状態で一人でここに来るのは危険すぎると思いました。途中「ここ中心部には鉄道の駅とバスターミナルがあり、長距離列車やバスが発着しています」などという説明を聞いても「怖くて乗れないよ」と思いました。あまり顔には出しませんでしたが…。地下の駐車場に入り、エレベーターに乗るまでの短い距離もデニスさんに従いながらも周りをキョロキョロ見ながら歩いていました。黒人ガイドがいればいいのですが(金品がありそうな格好をしていない限り何もないのにいきなり同胞を襲うようなことはしないはず…根拠ないですけど)そうでなければ怖くて行けません。駐在員の方も用事でここに来るときは自分で運転せず運転手つきの車を手配すると言っていました。デニスさんはこの辺の施設の人達と顔が通じているらしく、ズールー語で挨拶しながら入っていったので特に問題はありませんでしたが、私は彼にぴたっとくっついて歩いていました。ちなみにここでは黒人同士は英語ではなくズールー語で話していました。場所によって他の言語も使われており、デニスさんによると南アフリカでは全部で11ヶ国語が使われているようです。白人は英語やアフリカーンス語で話します。カールトンセンターは1・2階がショッピングセンターになっており、入っているお店は私が滞在していたサントンのショッピングセンターのテナントとあまり変わりませんでした。さすがにルイヴィトンなどのブランドものの店はなかったですが。でも人種構成が偏っていて、モール内にたくさん人がいたのですが黒人100人中白人が1人いるかいないか、という感じでした。東洋人は当然ゼロ。でも白人の母娘も見ました。

a0079741_0141396.jpg2階には展望台「トップ・オブ・アフリカ」のエレベーター入り口があり、入場料を払って50階までエレベーターに乗ります。デニスさんによると、ここがアフリカ大陸で一番高い展望台なのだそうです(二番目はエジプトにあるらしい)。しかし東京タワー展望台のようにエレベーターに乗るのに待つことはなく、すぐに乗れました。だって、他に登る人いないんだもん…。そんな訳で恐る恐る登った展望台ですが、眺めは最高!!その日は天気が良かったこともあり、ヨハネスブルグ市内および郊外が一望できました。下にあるショッピングセンターの賑わいとは裏腹に本当にガラーンとしていましたが、それはつまり地元の黒人はここに来てもそれ以外の観光客がほとんど来ないことを意味しているのかもしれません。眺めは良いだけに残念に思いました。カールトンセンターにはその名の通りもとはカールトンホテルがあったのですが、治安悪化により移転を余儀なくされ、隣にあるホテルの建物は閉鎖しています。2010年のワールドカップに向けてあれこれ対策しているようですが、そのときだけ一時的に治安を向上させることはできるかもしれませんが、長期的な治安向上への道のりは長いかも、と思いました。

a0079741_0144646.jpg少々ドキドキもののヨハネスブルグ市内観光の後、ソウェトに向かいました。ソウェトは以前黒人の居住区(タウンシップ)だったところで、アパルトヘイト時代黒人は指定された地域以外を無断で行き来することが許されていませんでした。緑のパスポートのような身分証明書を常に携帯することが義務付けられ、指定地域の外へ出るときはここに許可証をもらう必要があります。デニスさんも子供の頃は持たされたいたようで、自分のサイフから「こういうものだよ」と見せてくれました。「僕は子供の頃ソウェトにいたんだけど、初めてヨハネスブルグに行ったのは16歳のときだったんだ。5キロも離れていないのに。」と言われたときは何て言葉を返してよいかわかりませんでした。

今日は眠いのでこの辺にしておきます。 (つづく)
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by coast_starlight | 2007-09-25 00:20 | 旅行


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