今月に入ってから偶然にも「久しぶりな人」に立て続けに会うことになりました。
11月2日(金) 福岡にて 私が南カリフォルニアに住んでいた小5~中1の間、近所の日本人のおばさんが国語の個別指導をやっていてそこに通っていました。現地の学校に通っていたので日本語を忘れないようにということで通っていたのですが、今から思えば家庭内や友人同士の会話とは違う世界の会話をしていたような気がします。おばさんには子供がいらっしゃらなかったこともあってか、私へ話すときの話し方および内容が大人向け(?)で、時には内容が難しくて話題についてくのが大変でした。その方は国文学がご専門で、源氏物語や徒然草、百人一首などの話などをあれこれして下さったのですが、残念ながらほとんど覚えていません。しかし私の国語力維持だけでなく、私の周りにはそれまでなかったアカデミックな世界を垣間見ることができ、間接的に私のその後の生き方に影響を与えたのではないかと思います。残念ながらその方は5年ほど前にお亡くなりになったのですが、物理学者であるだんなさんと今でもやりとりしており、現在お住まいの福岡に行くときは必ず連絡をするようにしています。 今回の福岡訪問では、大宰府天満宮と九州国立博物館に連れて行って下さいました。学部生および大学院生の頃、将来に対する言いようのない不安に駆られていて「とりあえず旅行でもするか」と思って福岡に行ったことが2~3回くらいあったような気がします。そういうときにおばさんは「何か話でもあるの?」と聞いてくるのですが、私は毎回「いや、別に何か特定の悩みがあるわけじゃないんですけど」と言葉を濁していました。本当に、言葉にできなかったのです。その都度食事や観光に連れて行ってくださり、キレイなものやおいしいものを味わわせてもらいながら、直接そのことについて話す訳でもなく、自分の頭で考えるきっかけを与えて下さっていたように思います。太宰府天満宮は、以前おばさんに連れて行って下さった場所の一つです。九州国立博物館はできて間もないためその頃はありませんでしたが、今回本願寺展が開催されるとのことでおじさんと一緒にあれこれ見て回っていました。博物館内の売店では、「腹の虫」にまつわる面白いぬいぐるみが売られており、思わず写真をとってしまいました。最近、こういう小さいぬいぐるみ系マスコットがいろいろなところで売られており、買いすぎないように我慢するのが大変です。 おじさんとは、おばさんの話をあれこれするかな、と思っていたのですが意外と話題には出ませんでした。いや、直接話題にせずとも各々の心の中に生きていて、何かの折にそれが感じられることにお互い満足していたのだと思います(あくまで私の想像ですが)。今度はおじさんと門司港に行こうと話していたので、その時がいつになるかはわかりませんが、その時には今回聞けなかった話をいろいろ聞いてみようと思います。 11月3日(土) 熊本にて 熊本には、昔同期だった女の子が住んでいます。彼女は結婚退職して地元の熊本に帰ったのですが、その後大学に戻りドクターをとり、現在子育てをしながらポスドク生活を送っています。今まで日本国内・国外ともいろいろなところに行ってきましたが、熊本にはまだ行ったことがなく、彼女もいることだし一度行ってみようと思い熊本まで足を伸ばしてみることにしました。 彼女は現在二人目を妊娠中だということもあり、貸し切りタクシーで観光をすることにしました。朝10時に熊本駅に到着後、まず熊本城へ行き上まで登って(彼女は下で待っていました)、その後予約していたタクシーで阿蘇に向かいました。途中いろりで魚や肉を焼いて食べるお店でお昼を食べ、白川水源という水どころで水をくみ、その後阿蘇山近辺を回りました。火口には残念ながら風向きのせいで立ち入り禁止となっていて行くことはできなかったのですが、「こんな広大な景色が日本にもあったのか」と思うくらいで行ってよかったと本当に思いました。 夜は熊本名物の馬刺しを食べまくりました。お肉だけでなくレバーや心臓も初めて食べましたが、臭みもなく非常に美味でした。彼女の専門は高出力レーザーや大容量プラズマ(だったっけ?)だそうで、私が受験生時代最も苦手とした物理学の分野で生きていっているすごい人です。女性の物理学者というと、日本物理学会の会長でもあった米沢富美子氏を真っ先に思い出します。米沢氏も三人の子供を育てながらもアモルファスの分野の第一人者となった人。将来女性物理学者の友人がいると自慢しちゃったりして。 11月5日(月) 都内にて 前回の記事に書いた通り、以前通っていた韓国語教室で同じクラスだった人達と会いました。 11月6日(火) 茨城にて 昔一緒に仕事をしていた方と4年ぶりくらいにお会いしました。彼は技術関係のコンサルタントとして香港やオーストラリアなどで勤務し、今はロンドンにいます。私が一緒に仕事をし始めた5年前はまだ結婚したばかりで子供もいなかったのですが、今は2人目も生まれたそうです。時の経過を感じました。 お昼時ちょっと雑談をしていたのですが、彼が「いろいろなところを転々と移り住むのも面白いと言うか、病み付きになってしまうというみたいだ」と言っているのが興味深かったです。また日本語も熱心に勉強中らしく、簡単な会話はできるようになりつつあるようで、彼の使っているノート型パソコンのキーボードの下の箇所にも日本語の単語をメモった紙が貼られていました。彼が今度住む先は日本になりそうかもしれませんね。 11月7日(水) 都内にて 留学準備の際推薦状を書いていただくなどでお世話になったある先生のところに帰国のご挨拶に行きました。10年ほど前に知り合って以来、たびたび進路相談にのってくださっています。留学先としてケネディスクールを目指そうと思ったのも先生の一押しがあったからでした。留学に行く前に一度昼食をごちそうして下さったときがあって、そのときは「あぁ、自分はこれから留学するんだ」という躍動感があったのですが、いざ留学が終わってしまうとあっけないとういか、割と普通な会話をしていました。私も今の職場に戻って間もないので今の職場で何かを成し遂げたという実感をまず持ちたいですが、長期的なプランは未定で、まだまだ試行錯誤は続きそうです。 11月9日(金) 都内にて 同期の女の子とお昼を食べました。彼女は最近海外駐在から帰ってきました。結婚して間もない彼女が言っていたことで印象的だったのが「私は男性がいないと生きていけないということを実感した」という一言。独身での海外駐在生活を通じてそう実感したのかもしれませんが…。彼女によると、それと比べて私は independent だということらしい。それってどういうこと!? 11月10日(土) 都内にて 学生時代の友人とお昼を食べました。彼女は2年ほど前に結婚したのですが、私は留学直後だったので結婚式には参加できず、留学中も何度かやりとりはしていたもののかなりご無沙汰していました。でも思い返せば留学前もそんなに会っていなかったので、彼女と会ったのは実は3年ぶりくらいかもしれません。話を聞くと体調を崩して休職したりといろいろあったようです。今も休職中で、また妊娠していることもあり仕事に戻るのはだいぶ先のようです。働く意欲はあるそうなのですが体調や周りの状況がなかなかついていかないようです。体を壊して休職した人は他にも何人か知っています。幸い私は今までそのようなことはないですが、今の仕事でたまに単調だなと思ってしまうことがある中で、普通に働き続けているというその事実の貴重さを改めて感じたような気がしました。
by coast_starlight
| 2007-11-11 22:55
| 日々の出来事
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