2006年 12月 26日 ( 1 )

<旅行> タイ/泰緬鉄道

今年のクリスマスは、タイで「鉄分補給」していました。同じく国外在住の交通関係に携わる友人がおり、彼が提案する泰緬鉄道ツアーを決行していたからです。先月の彼からのメールには、こうありました。

「(彼の予定では)シンガポールから一路マレー半島を北上し、バンコクを目指します。列車では、どんなに急いでも、25日のバンコク着は8時以降となり、バンコク(トンブリ)7時45分発ナムトク行には乗れません。ただ、この列車はナコンパトムを経由し、8時49分に発車します。そこからであれば、南方からの夜行列車の4本が間に合います。ともかく当日、このナムトク行に乗っておいて下さい。」

従って、私は早朝のナムトク行き列車に乗り、途中のナコンパトム駅で彼が乗ってくるのを待つことになりました。実はこのツアー、「決行」と書いただけあってかなりハードだったのです…。

a0079741_9523096.jpga0079741_1001487.jpgまずバンコクのトンブリ駅というところでナムトク行きの電車に乗ったのですが、この駅はホアランポーン駅(新駅)ではなく、旧駅なので私の滞在先(スクムビット地区)から遠く、公共交通で行く手段もありません。そのためタクシーに乗るしかなかったのですが、前日タイ人の知り合いに「7時45分トンブリ駅発の列車に乗るには何時にホテルを出ればよいか」と聞いたところ「バンコクの交通渋滞はひどいから時間は全然読めない。大事をみて2時間前には出たほうがいい」と言われ、当日はやむなく5時起きでした。幸い渋滞はしていなかったものの、何と運転手が道に迷ってしまい案の定(?)時間がかかってしまいました。それでも1時間前には駅に着いたので「もう少し寝ていたかったかも…」と少し思いました。地図を見たところ直線距離は5~6キロであるものの確かに道路はややこしく、おまけにチャオプラヤ川を渡らなければならないのでとれるルートは限られ、これは運転手も大変だ…と思いました。でも途中で車を止めて通行人に道を聞いたりしているし、本当に私はトンブリ駅に着けるのか…と半ば心配でしたが無事着くことができました。運転手のお兄さんはかなり若くて、ひょっとしたらまだ10代?と思えるくらい童顔で、まだ運転手になってそんなに経っていなかったのかもしれません。彼自身道に迷ったことを申し訳なく思ったのかメーターの料金よりも数十バーツ割り引いてくれたので、こっちが申し訳なく思うくらいでした。ふっかけられることはあっても値引いてくれることは珍しいと思います。そんな訳でトンブリ駅で1時間ほど待った後列車に乗り、9時前にはナコンパトム駅で無事友人と合流することができました。列車はその約1時間後にカンチャナブリ駅に到着し、そこから泰緬鉄道ルートの旅が始まりました。

a0079741_9533847.jpg泰緬鉄道とは、第二次世界大戦中にタイとビルマ(ミャンマー)を結んでいた鉄道の名称です。日本軍がビルマまでの物資輸送ルート確保のため建設・運行したものです(地図をクリックして拡大してご覧下さい)。英語名称は Thai-Burma Railway ですが、英語圏ではその建設作業の過酷さからむしろ Death Railway (死の鉄道)の名で知られているそうです。現存のルートは、カンチャナブリ~ナムトクの区間のみで、バンコク~ナムトク間は1日2本のローカル列車が運行するほか、土日は観光用列車が運行されています。1942年に建設が始まったのですが、当時の戦況から建設は迅速さを要求され、マレー人やビルマ人、連合軍捕虜(イギリス人・オーストラリア人・アメリカ人など)、在日朝鮮人などが短工期での建設を実現するため過酷な労働を強いられました。建設現場は劣悪で特に工事の後半は雨季にも拘らずさらなる迅速さが要求され、食料不足からくる栄養失調とコレラやマラリアにかかって死者数が莫大な数に上ったそうです。(詳細については、泰緬鉄道で検索すれば多くのサイトで説明されているはずです。)




今回私達も帰りにカンチャナブリで途中下車して博物館に行ったのですが、学校の授業ではさらっと触れられただけの内容が生々しく説明・展示されており、ただただ黙って見学するしかありませんでした。今でこそ観光ルートとなっているこの区間ですが、建設に携わった人たちのことを思うと単に「キャー、キレイ!」と言っている訳にもいかないと思いました(キレイでしたけど)。就職前に乗ったシベリア鉄道も同様です。海外の鉄道路線では、その建設の歴史には重いものがあるところが多いと思います。鉄道業界に携わるものとしてはこういったことも肌で感じておく必要性を感じているので、今回は良い経験をしたと思います。

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…そうはいっても、ほとんど列車に乗っているだけのこのスケジュールって何よ!と同行者に愚痴りたくなっていました。過去の経験から彼の組む列車乗車ツアーが本当に「乗るだけ」になるのはわかっているのですが…。まあ毎回頑張って予定組んでくれるし、私はそれをわかっているので黙ってついて行くしかないと思っているのですが…。というか、たぶん私までゴチャゴチャ言い出すとケンカになると思います。ちなみに今回はバンコク・トンブリ駅を7時45分に出発し、ナムトクに着いたのが12時45分、折り返し列車がナムトクを出たのは1時だったのでナムトク滞在時間はわずか15分!駅では帰りの切符を買って写真を撮って終わりでした。鉄分補給どころか、鉄分の過剰摂取で体調悪くなるってば(ウソ)。実際木製の硬い座席に7~8時間座りっぱなしは結構きつく、お尻が痛くなっていました。加えてお昼ゴハンを買う時間もないし、途中車内販売(というか、地元の人が勝手に列車に乗って売っている)で買ったドーナツやジュースでその場をしのぐしかありませんでした。これに乗らなければ帰れないので仕方なかったとはいえ、これじゃあんまりだ…ということで帰りはカンチャナブリで降りて博物館へ行き、バスでバンコクまで戻ることにしました。

a0079741_10115362.jpg結局バンコク市内に戻ったのは午後8時頃で、その後久々に日本食レストランへ行き夕食を食べ、同行者と別れホテルに戻りました。部屋に戻った後は、速攻シャワーに入り(外がホコリっぽかったのか、髪の毛がベタベタして気持ち悪かった)、ベッドに倒れこんで寝てしまいました。
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by coast_starlight | 2006-12-26 10:05 | 旅行