2008年 05月 12日 ( 2 )

<話のネタ> ウェスタン・ユニオン

a0079741_4591280.jpg世界各国市街地のいたるところには、黄色と黒の"Western Union"のロゴのついたお店があります。ウェスタン・ユニオンは国際送金サービスの世界最大手で、世界200カ国に約27万店の代理店ネットワークを持つ金融サービス会社です。国際送金だけでなく小切手の現金化や外国為替、クレジットカードやプリペイドカードなども取り扱っています。ウェスタン・ユニオンの歴史はとても古く、1800年代にまでさかのぼります。当時は電報を手がける会社としてスタートしたもの電信送金も扱うようになり、やがてそれが本業となり送金サービスのほうで知られるようになりました。昔の本業だった電報業務も昨年で撤退しています。ここ最近はオンライン送金などの分野にも進出しているようですが、今でもメインは国際送金や小切手の現金化のようです。ちなみにウェスタン・ユニオンを利用して国際送金するには、まず最寄のウェスタン・ユニオン送金取り扱い窓口に行き、送金したいお金を支払います。その後受取人が最寄のウェスタン・ユニオンの窓口に行ってお金を受け取ります。カバーしている国は非常に幅広く、アメリカ・イギリスといった場所だけでなく、フォークランド諸島やニジェール・モーリタニア、コソボやイラクにも送金できるというところがすごいです。送金できない国はイラン・ミャンマー・ソマリア・北朝鮮くらいでしょうか…。

ところで私が中学生の頃、ジャネット・ジャクソンのエスカペイド(Escapade)という歌が流行っていましたが、この歌のサビの部分の歌詞はこうなっています。

My mind's tired I've worked so hard all week
Cashed my check I'm ready to go
I promise you, I'll show you such a good time

アメリカでは給与は小切手で支払われることが多く、そのため基本的には銀行口座に入れないと現金化できません。しかし銀行口座を持っていない(持てない)人もかなりいます。銀行口座を開くためには公的な身分証明書が必要で、また外国人は場合によっては有効なビザを提示しなければならないなど手続きが面倒であるため、例えば不法滞在者は銀行口座を開けないと思います(抜け道はあるかもしれませんが…)。したがってこの歌の主人公はおそらく小切手を銀行口座に入れず、ウェスタン・ユニオンのようなお店で給与小切手を現金化したのだと思います。中学生の当時この歌を聴くたびに「小切手を現金化するってどういうこと?何で小切手を現金化しないと遊びにいけないんだろう?」と素朴な疑問に思っていました。私は当時アメリカに住んでおり、給料が小切手で支払われるというのは知っていましたが、普通は銀行口座に一旦入れるため、すぐには現金化されません。おそらくどこかで現金化してもらうんだろうけど、手数料を払ってまで小切手を現金化しないと遊ぶお金もないなんて、この歌の主人公は自転車操業(今風に言えばキャッシュフローがない)なんだな…と子供心に思っていました。その頃はウェスタン・ユニオンの存在も知らなかったため、大人になってから「あ、そういうことか」と納得がいったのですが、その頃は銀行口座を開けない人の存在は知りませんでした。ウェスタン・ユニオンがあるところは市街地か移民の多い地区がほとんどで、郊外の住宅地にはまずありません。ウェスタン・ユニオンに用事があるのは主に銀行口座を持たないが給与が小切手で支払われるので現金化する必要がある人と、本国に送金する必要のある移民の人達です。もちろんウェスタン・ユニオン自身は他にもあらゆるサービスを手広く行っていますが、個人が店舗に行く用事というと主にこの二つだと思います。留学していた頃、ハーバードスクエアの隣の駅のセントラルスクエアの駅近くにはウェスタン・ユニオンのロゴのついたお店(代理店)を数多く見かけました。

そんなわけでウェスタン・ユニオンは移民社会には非常に根深く関わる存在なのですが、移民から高い手数料を搾取しているという理由でウェスタン・ユニオンを使うなというボイコット運動も何度か起こっています。そういう経緯からかウェスタン・ユニオン社は社会貢献活動の一環として移民が多く来ている国の団体に支援するなどしています。


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ウェスタン・ユニオンは日本人には非常になじみが薄いと思います。海外の旅行先で両替したりトラベーラーズチェックを現金化するのにお世話になるくらい?ちなみに日本ではスルガ銀行が唯一ウェスタン・ユニオンの送金を扱っています。しかしアメリカやイギリスの側面について(特に移民社会について)知ろうと思うとウェスタン・ユニオンの存在抜きには知りえることはできないと思います。留学中からウェスタン・ユニオンについてはずっと書きたかったのですが、結構纏めるのが難しくてやっと今日記事とするに至りました。

a0079741_4595037.jpgロンドンにもウェスタン・ユニオンの窓口は街中至るところにあります。この黄色と黒のロゴを見ると「世界中いろんな人がいろんなところで暮らしているんだなー」とそこで暮らす人達に思いを馳せる自分がいます。
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by coast_starlight | 2008-05-12 05:00 | 話のネタ

<日々の出来事> 午後のティータイム

a0079741_4131967.jpg最近仲間に加わったカメカメさんとシロクマさんが、イギリス人ぶって(?)午後のお茶会をしているようです。

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カメカメ(以下K): 飼い主もロンドン滞在が長くなってきたよね。だいぶここの生活にも慣れてきたみたいだけど、週末が来るたびにどこに出歩こうか悩んでいるみたい。別に出歩かないで部屋でボーッとする一日があってもいいじゃないかって僕なんかは思ってしまうけど、実際それで一日が終わってしまうと「あぁ、もったいないことをした」っていう気分になるみたいだね。確かに狭い部屋にいても気分がふさぎこんでくるし、ここでの滞在は限られているから、仕事で来ているとはいえそれ以外のものも見ないとという気持ちはわかる。

a0079741_414126.jpgシロクマ(以下S): イースター休暇にはスコットランドに行っていたし、先月はランズエンド(飼い主注:ランズエンドとはイギリスの南西の端にある岬です…下の写真参照ください)とか行ってるから別に出歩いていないとは思わないんだけど…。僕も毎回連れて行かれるし、寝台列車にも乗り飽きたよ、まったく…。彼女の面白いところは、近場に関しては出不精なんだけどいざ旅行に行くとなると結構一人でも遠くに行ってしまうことかな。イギリスにはスコットランド方面とペンザンス(ランズエンドに行くとき通過する町)方面への寝台列車があるんだけど、いずれも乗ってしまったから。僕も一緒に乗ったけど、乗り心地は悪くなかったよ。もっとも最近だいぶ暖かくなってきたから週末に出歩くのも楽しくなってきたって言ってたけど…最近は暑いくらいかな。今日も気温は25度だったし。もっとも僕はもともとインドア派だし、外に出ると辛いからずっと部屋の中なんだけど…。でもこの部屋エアコンついていないんだよね。

a0079741_415415.jpgK: 安宿だとエアコンついていないところ多いみたいだよ。そうそう、今日はハイドパーク周辺をうろついていたらしいけど、暑いからか肌の露出度が高い服を着ている人が多かったとか言ってたね。上半身裸の男性とか、体形を省みず水着みたいな服を着ている人とかいて、やっぱり日本と違う感じー。

S: たぶんこっちの人はあまり人に見られているっていう意識がないんだよ。でもそれに安心していると日本に戻ってから大変なことになるから、飼い主もその辺コントロールしないといけないんだろうけど。


K: そういえば、最近飼い主がヒマなときに数学の問題解いているよね。「大学への数学」の別冊を買ってロンドンに持ってきているし。一体どうしたんだろう?

S: 受験生時代数学が不得意だったからそのコンプレックスを克服したいんじゃないの?よくそれで理工系の大学に行ったものだと思うけど。

K: そっか、シロクマさんはもう15年以上も飼い主と一緒にいるんだもんね(飼い主注:シロクマさんとは高校生のときからの付き合いです)。でも別に大学受験の数学をやる必要はないんじゃない?

S: 大学受験レベルくらいが適当だからじゃない?この世の中には趣味で数学の問題を解く人もいるらしいよ。あと彼女の場合「これはこうなって、だからこうで…」という筋道立てて物事を考えるトレーニングをする必要性を感じたんじゃないかな。だってそういうの下手だもん。どっかで直感が邪魔して論理が飛躍してしまうんだよ。直感が働くのは必ずしも悪いことじゃないけど、場合によっては単に辛抱強くないだけで直感に頼ろうとする、つまり楽をしようとしてしまうんじゃないかな。

K: シロクマさん、冷静に分析しているね。


S: ところでさー、カメカメさんは野心ってある?

K: 例えば?

S: 地球制覇とか。

K: あるわけないじゃん、僕たちただのぬいぐるみじゃないか。できることには限りがある。でも、どうして?

S: 最近知ったんだ。この世の中には地球を守るとか高尚なことを考えているぬいぐるみが存在するらしいよ。

K: 僕も風のうわさには聞いたことあるけど…僕らも本当は彼らの爪の垢を煎じて飲むくらいの気持ちで、日々向上心を持って生きなければないけないのかな、こんな優雅にお茶している場合じゃなくて。

S: そうかもね。でも本当のところを言うと飼い主を守るだけでも大きな任務だから、それどころじゃないな。長引くロンドン生活で、さすがの飼い主も最近は人恋しくなっているみたいだから。いやぁ、大変なんだよ。毎日遊んでくれって。飼い主の相手をするのも楽じゃないよ…トホホ。


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シロクマさん、どうもありがとう!!
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by coast_starlight | 2008-05-12 04:20 | 日々の出来事