<   2006年 11月 ( 16 )   > この月の画像一覧

<旅行> ザイオン国立公園

旅行3日目の朝、ラスベガスのホテルをチェックアウト後ザイオン国立公園に向かいました。ザイオン国立公園は日本人の中ではあまり有名でないそうですが、アメリカ人が最も多く訪れる国立公園の一つだそうです。前日セスナ機でのグランドキャニオン一日ツアーに行ったものの、あまり苦労せず広大な景色を見てしまったのでちょっと感動も半減だったのですが、今回は自分達で車を運転して行ったので少しは達成感がありました。

今回の旅行を象徴するキーワードは次の2つです。


<アーティストにインスピレーションを、凡人に感動を与えてくれる>

同行者が持っていたガイドブック(地球の歩き方・アメリカの国立公園編)にあった一言。神秘的な風景写真の隣に書いてあったこのフレーズに私は釘付けになってしまい、「本当にテキトーなこと書いてるよね~」と道中何度も同行者と思い出すたびに爆笑していました。

しかし同時に、ある意味これは名言だとも思いました。なぜならこの短いフレーズの中に私は次の2つの前提条件を見出したからです。

① 世の中の人間はどうやらアーティストと凡人に分かれるらしい
② 凡人には感動をインスピレーションに高める能力がないらしい

同行者と一緒に「インスピレーションと感動の違いって何だろうね?」などと考えながらドライブの道中を過ごしました。そこでたどり着いた結論は、インスピレーションは何かを創作したいという意欲ではないかということです。インスピレーションという言葉を辞書で調べると「直感的なひらめきや瞬間的に思い浮かんだ着想、霊感」とありました。でもそれだけでは感動との区別がつきにくいです。感動というとどうも自分が受ける印象で終わってしまう静的なイメージがあり、そこから何かを生み出すという感じではないような気がします。それに比べてインスピレーションというとそこを出発点に何かを始める、自分の体が勝手に動き出す、という感じがします。ちなみに動詞のインスパイア(inspire)という単語はrespireと同様「呼吸する」という意味の語源を持っています。従ってアーティストは美しい風景を見てそれを自分の中に取り入れてそれを基に自分が動かされる、という解釈はあながち間違いでもないかもしれません。(ちなみにこの言葉の語源を調べる(印欧語族)を調べるという考え方はリーダーシップの授業で教えられたものだったりします。)私もアーティストとして何か創作意欲が湧けばいいのですが、このブログを書いているくらいじゃまだ凡人の域ですね…。



<カールスジュニア>

a0079741_14401338.jpgカールスジュニア(Carl's Jr.)はアメリカ西海岸を本拠地とするハンバーガーチェーン店です。私はここのウェスタンベーコンチーズバーガーというハンバーガーが大好きなのですが、東海岸に住んでいる今は旅行の時ぐらいしかお目にかかることができません。私が高校生の頃実は大阪・京橋にもあったのですが、今は日本市場から撤退してしまったようです。ラスベガスからザイオンへ向かう途中、ユタ州のセントジョージ(St. George)という町でこのお店を発見し、同行者と「帰りはここでお昼を食べよう」と話していました。しかし次の日ザイオンでのんびりしてしまったためここに立ち寄っていると帰りの飛行機に間に合わないくらいギリギリになってしまい、帰りに寄るべきかどうかセントジョージに差しかかる直前まで悩んでいました。結局、①ドライブスルーを利用し途中で運転を交代・交互に食事を済ませる、②レンタカーの返却とチェックインを分担する、という時間短縮策で無事お目当ての品を食べることができました。

ここで②はどういうことかを説明します。まず私が同行者+2人分の荷物を空港のターミナルで降ろし、私が一人でレンタカー返却場所まで向かいます。その間同行者は2人分のチェックインと荷物を預ける作業を済ませます。レンタカー返却後私はレンタカー会社のバスでターミナルまで向かい(それだけレンタカー返却場所と空港のターミナルが離れているということ)、同行者と合流し搭乗券を受け取る…という流れです。なぜこのようなことが可能かというと、最近の国内線チェックインは自分で端末を操作して行う形式になっており、搭乗者本人がいなければならないのは荷物を預けるときとセキュリティチェックを通るときだけだからです。私の荷物も同行者の名前で預かってもらえれば、私はチェックインカウンターに行く必要がありません。1人2点まで荷物を預けることが可能なので助かりました。飛行機は午後4時発だったのですが空港に着いたのは3時15分、チェックインは出発30分前で締め切られてしまう場合が多いので大変焦りましたが、幸いこの方法を思いついたので無事飛行機に乗ることができました。

ザイオンを出てからずっと「カールスジュニアに行きたいよー、でも間に合わないかも、どうしよう…」と私が何度も言っていたからでしょう、同行者も「そこまで言っているのなら行かないと後悔するよ」と私の気持ちを後押ししてくれ「まず行くと決めて、そのためにはどうすればよいかを考える」という方法をとった結果思いついた策でした。ようするに、それだけここのハンバーガーが好きだということです。西海岸で発見したら是非寄ってみてください。ウェスタンベーコンチーズバーガーは私が小学校6年生の時にデビューしたハンバーガーでそれ以来ずっと好きなのですが、20年近く経った今も定番商品として健在なようでうれしかったです。バーベキューソースとオニオンリングの絶妙なハーモニーは今思い出しただけでも食べたくなります。


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もちろんザイオン国立公園の景色も素敵でした。

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今回の旅行は私にとって久しぶりの同行者つきの旅行でした。一人とは違って費用面・ロジスティックス面で何かと都合が良かったのですが、一番私にとって良かったのは一人で旅行する時に起こる考え事の連鎖を止めてくれる人がいたことです。私があれこれ景色を見ていて思いついたことを話すのを聞いてくれる非常に寛大な心を持つ人だったので(もちろん彼女の話もたくさん聞きましたよ)、自分の考え事の方向が発散して収拾がつかなくなり頭が痛くなるということがなかったからです。夏休みにグリーンランドに旅行したときは、広大な氷河を目の当たりした自分の頭があれこれ考え事を勝手に始めてそれを夜になっても止められず、夜暗くならないということも手伝って毎晩不眠症に悩まされていました。しかし今回は毎晩ベッドに入ったら5分以内に眠りについていたような気がします。お陰で日中は元気に過ごすことができました。たまには誰かと一緒に旅行に行くのもいいものだな、と思いました。
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by coast_starlight | 2006-11-30 14:49 | 旅行

<授業のはなし> ハイフェッツ教授に会いに行く

やっと今日、リーダーシップの授業を担当されているハイフェッツ教授にお会いすることができました。先生は非常に多忙な方で1ヶ月前から予約を入れる必要がありました。その時の様子を一部再現してみたいと思います。

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「先生、私は他の日本人学生があまり授業で発言をしないでいること、またその人たちに発言するようにうまく働きかけることができていない自分に少しじれったさを感じているのです。私が知る限り、9月に授業が始まって以来一度も発言したことのない人もいます。先生にとって、日本人学生の態度というのはどう映るのかが気になるのですが。」

ちなみに、授業での発言は成績の30%を占めます。成績の問題は別としても、授業で発言しないと授業に参加している実感を持つのは難しいと思うので、タイミングおよび伝えたいメッセージを見極めた上で毎週1~2回は発言するようにしています。

「確かに過去の経験からも日本人を含め一部の文化圏から来た学生は、中には君のように発言する学生もいるが、学期中ほとんど発言しないか、あるいは全く発言しないで学期が終わってしまう人もいるね。でもそれは文化的な背景が違うこともあるし、その態度自体がある意味メッセージでもあるから、それ自体はacceptableだと思うよ。」

「そうなんですけど、だったらなぜこの授業をとっているの?と思いますし…もっとも、このことを私の問題として捉えるべきかどうか、あるいは単にその人たちの問題で私には関係ないと思うかという問題もありますが…」

「なぜ他の日本人学生があまり発言していないことが自分にとって問題だと思うわけ?」

「他の人が発言しないと私の『日本人代表度』が相対的に上がってしまうというか、日本人にもいろいろな人がいるわけですし…。あとは単に自分が『ケネディスクールの日本人学生』という所属に属していると思っているから、同じ所属の人が気になるのだと思います。」

「でも、それらのことは君が彼らに働きかけることの是非について悩む理由にはなっていないんじゃないの?」

「……。たぶん私が過去にアメリカに住んでいたことがあることが関係していると思います。」

「こっちで大学に行ったの?」

「いえ、日本の大学に行きました。アメリカで過ごしたのは5年・6年・9年・10年生(9年と10年は日本の中3と高1に相当)の4年間です。その後日本でインターナショナルスクールに通っていたので12年の教育の約半分は英語で受けています。アメリカ文化や英語に慣れているという面では、確かにずっと日本に住んでいた人たちよりもadvantageがあると思います。」

「確かにそれは大きいと思うね。皆話したがる授業の場で発言するのには有利かもしれない。」

「でも私はずっと日本で暮らしていた人たちを逆に羨ましく思うときもあります。私には高校の卒業証書がありません。日本では高校は義務教育ではないため、高2の夏に帰国することになった私が行けるところはほとんどなく(なくはなかったがその学校が――というより自分ではどうにもならない理由で振り回されて学校を選べないという状況が――私は嫌だった)、教育システムの違いなど様々な理由からインターナショナルスクールに入ったのですが、これは日本の法律では正式な学校とは認められず、当時そこを卒業しても大学受験資格は得られませんでした(今は得られるようですが)。従って最終的に日本の大学の理系に行くと決めた私は、結局この学校を中退し大学入学資格検定(大検)を受け大学を受験しました。これは基本的に自分で選んだことですが、家の事情も関係しています。大学を卒業するまではバイトをする際などに履歴書を出すのが嫌で、『早く大学卒から書けるようにならないかなー』とずっと思っていました。単にそれだけのことと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、自分の所属がはっきりしていて日本人としてのアイデンティティーに悩まなくて済む人達が当時は羨ましくてたまりませんでした。今でもそうです(このことを自分の利点にまで高めるにはどうやらまだ至っていないようです)。従って、自分は何人かと聞かれても日本人以外の何者でもないのですが、そこにも完全に所属しきれていないというか、中途半端な存在なような気がするのです。」

「じゃあ、日本にいる時は日本人になりきっていないという気持ちを抱き、また周りからそう言われたりしたけど、いざアメリカに戻ってくると自分は日本人という気持ちが強くなるわけだ。」

「そうです。」

「これは授業でやってきているsystemicな問題の兆候を表していると言えるのではないかな。つまり、『日本人』という所属(faction)に属し切れていない、そこで期待される役割を果たしきれていない自分がいる(role conflict)と認識しているのだと思う。人は自分が属するところに対する無意識の忠誠心があるというか、それから外れてしまうと罪悪感を感じるところがあるから(詳しくはこちらを参照下さい)、日本人を代表したいんだけど果たして自分が代表していいのか、そういうジレンマがあるのだと思う。だから『そんな自分が彼らにもっと授業で発言するよう働きかけてもいいものか』と思うのかもしれない。何も自分個人としての問題として捉える必要はないんだよ。自分に与えられた役割が抱える問題なのだから、それは君個人のせいではない。大事なのはそれらの問題を分析し見極めることなんだ。今言っていることはまだ完全にわかっていないと思うけど。」

「たぶん20%くらいしか理解していないと思います。」

「今週のテーマはBoundary and Partnershipだから、自分のrole conflictについて授業で話してみたらいいんじゃないかな。他の日本人学生があまり発言しないということに関しては、『発言すること=リーダーシップを学ぶ機会』と考えて、その機会をもっと利用しようよ、という感じで話してみればいいのではないかな。」

「ありがとうございます。おっしゃったことおよび自分の中で抱えているものを消化するには時間がかかりますし、どこまで授業で発言できるレベルにまで言語化できるかどうかは何ともいえませんが、トライしてみます。」

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「自分に与えられた役割が抱える問題なのだから、それは君個人のせいではない」という一言に、肩の荷が下りたような気がしました。

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                 イモムシさんひとりぼっちだと何かかわいそうなので最近はつがいにしてます
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by coast_starlight | 2006-11-29 14:26 | 授業のはなし

<旅行> ラスベガス

先週はサンクスギビング休暇で木・金と学校が休みでした。水曜日まで学校の授業はあるものの先生が休講にしてしまうところも多く(私が受けている授業はありました)学校も何か閑散としていたような気がします。アメリカ人にとってサンクスギビングは帰省し家族と一緒に過ごすイベントのようです。実際は旅行に行く人も多いですが…。帰省するには遠すぎる私は同級生と一緒にラスベガスに行くことにしました。

a0079741_1122674.jpg同行者が言うには出発日のボストン・ローガン空港の混雑は全米で4番目にひどいという予想だから早く行こうということで2時間前についたのですが…この通りガラガラ。出発便が夜8時だったこともあると思うのですが普段より全然すいているじゃない!!でもお陰でリーガルシーフードでのんびりと夕食を食べる時間があったからまいっか、と自分自身を納得させていました。

今回の3泊4日の旅行は、ラスベガスの人工的装飾とグランドキャニオンへのお気楽飛行機ツアー、ザイオン国立公園へのドライブツアーといった対照的な要素を組み合わせた旅行だったので、メリハリがあってよかったです。ラスベガスでは2泊し、2日目の朝はグランドキャニオンへの飛行機ツアー(約8~9時間)に参加し夜はCirque du Soleil(カナダ・モントリオールを本拠地とする世界的に有名なサーカス楽団)のショーを観て過ごしました。

ラスベガスに行ったらカジノをやるかなー、と思ったら意外とやる気が起きず、スロットマシーンで2ドルほど使っただけでした。私はどうやらカジノに限らず賭け事一般にほとんど興味がないようなのですが、自分で思いつく限り2つ理由があります。

1.熱中すると泥沼にはまるような気がして自分をおさえている
2.高校生の頃商店街の抽選会(いわゆるガラガラ)で受付のバイトをしたことがあり、その時大多数のスカ玉の中に紛れるほんの少しの当たり玉の存在を目の当たりにし(確率を視覚的に体験してしまった)「こりゃ当たらんわ」と納得してしまったこと

とはいえホテル内のカジノは24時間同じ照明だから時間感覚だけでなく普段の冷静な判断能力も麻痺してきそうだし、仕切られた別室にあるバカラやポーカー会場でわりときちんとした格好の人たちが賭け事に興じている姿を見ると「ひゃーすごい」と思って、ひょっとしたら自分もああいう気分に浸ってみたいかも…という幻想に陥ることが全くなかったわけではありません。

a0079741_11271289.jpgそういう幻想に浸るために私がトライしたのは1セントから賭けられるスロットマシーン!でもこれが全然安くない!なぜかというと9通りの組み合わせ(右図を参照ください)に対して賭けることができ、各ラインに対して最大10倍まで賭けられるので、1回に最大9×10=90セント賭けることができるからです。実際にやっている人を見ていても毎回1セントしか賭けない人はおらず、ほとんどの人が90セントか45セント(9通り×5倍)賭けていました。冷静に考えてみると恐ろしい。小心者の私は1回10~15セントだけ賭け、数分雰囲気を楽しんだだけで退散しました。



a0079741_11283295.jpgラスベガスは夜になるとさらに活気が出てきます。ストリップ(Las Vegas Blvd.のことをこう呼ぶ…商業地という意味で、ストリップショーとは関係ない)沿いには総室数3000室を超える超大型ホテルがひしめき合っており、各ホテルには客室・カジノ以外にもレストランやショッピングモール・劇場などあらゆる施設が揃っています。イメージとしては品川プリンスホテルのような超大型ホテル+大規模施設が何軒も並んでいる感じかもしれません。カジノで一儲けした後もお金を使う場所に困ることはありません。夜、夕食を食べたレストランのあるホテルから劇場のある別のホテルまで移動する際タクシーに乗ったのですが、運転手のおじさんに「こんなに人で賑わっているのは今日が祝日だからですか?」と聞いてみたところ「いや、これが普通。土日になるともっとすごいよ。」という答えが淡々とした表情と共に返ってきたのが印象的でした。こんな環境で働いていると、かえって冷静になるというか儚さを感じてしまうのかも、と思いました。

(つづく)
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by coast_starlight | 2006-11-27 11:31 | 旅行

<考え方> 誠実さをアピールするには

今サンクスギビング(感謝祭)休暇中で、ふと考え事をする時間ができたのでこんなことを考えていました。

<例題> 面接で

あなたは自分自身が誠実な人間だと思っていると仮定します。さて就職面接の場でその誠実さをアピールしたいのですが、どのようにアピールすればよいと思いますか?

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これって結構難しいと思います。もし「あなたの長所を教えてください」と聞かれて「自分は誠実な人間です」と答えたら、そう言った瞬間にウソになってしまうような気がします。昔羽賀研二が梅宮アンナと付き合っていた時、主に梅宮パパに対して「誠意大将軍」なんてアピールしていたこともありましたが、自分から言えば言うほどうさんくさくなってしまうのがアピールの難しいところだと思います。(そんな彼も最近結婚しましたけど…)

もし私が面接を受ける立場だったら、可能な直接的回答はせいぜい「私は常に誠実でありたいと思って日々行動しています」くらいだと思います。ここで「誠実である」を例えば「差別をしない」に置き換えると少しはわかりやすくなるかもしれません。「私は差別をしません」と言う人がいれば、私はその人はウソをついていると思います。なぜなら、無意識/無知が原因で不本意ながらも人を差別してしまう可能性を100%排除することは不可能だからです。しかし、「私は差別をしないように努め、日々行動しています。でも差別をしてしまったらそのときはごめんなさい。」と言えばウソにはなりません。

ところで相手側の立場に立ってみると、発言がどこまで本当かを判断する――ここからその人の誠実さが間接的に判断できると思うのですが――ためには、上記の発言を例にとると、
・差別をしないよう努めているという、その努力の度合い
・差別をしてしまったらごめんなさいという、その謝罪の深さ
を見極めることになると思います。また、このようなことを厳密に判断しようとすると、その人と一緒にある程度長い期間を過ごさないと本当のところはわからないと思います。

しかしそうは言っても現実には就職面接のように短時間でその人の人となりをある程度見極めなければならない状況は多々あると思います。そういう場合、どうすればよいのでしょうか?たぶんその他のやりとりから「この質問にこう答えたということは…」というロジックおよび「この質問に対してこのような反応(言葉に限らず目の動きや態度・口調など)を示したということは…」という非言語的リアクションの両面から推論するしかないと思います。

従って「自分の誠実さをどうアピールするか」という問いに対する結論としては、「受け答えおよび態度全体でその姿勢を示す」しかないと思います。これは誠実さに限らず、長所全体に言えることだと思います。もう一つ気をつけるべきなのは、自分がいくらそう思っていても判断するのは自分以外の周りの人だということでしょう。

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先学期とったスピーチの授業で、言葉そのものが伝えるメッセージはわずか7%で、残りの93%は非言語メッセージであると習いました。ここでいう非言語メッセージとは、話し方/口調・態度・雰囲気などを指します。ちなみにこの授業は毎週講義1回・約25名からなるワークショップ1回という構成で、ワークショップでは隔週で3~4分のスピーチをすることになっていました。スピーチについては教授からだけでなくワークショップに参加する他の学生全てからもコメントと採点が返ってきます。また毎回ビデオ撮影され数日後にイントラで自分のスピーチ風景が見られるのですが、これは当然他の学生もアクセス可能なのでかなり恥ずかしかったです。また準備が足りないと思われる学生に対しては「原稿を読むな」「感情が入っていない」「まんべんなくあいコンタクトをしろ」「結論がよくわからない」といった容赦ないコメントが返ってくるので恥ずかしい思いをしないためにも毎回の準備が欠かせません。スピーチだけでなく乾杯の音頭や人への賛辞といったテーマもありました。今とっているリーダーシップの授業とも絡むのですが、非言語メッセージで人に自分の思いを伝えるというのは本当に難しく、何歳になっても試行錯誤を続けることになるのだろうなと思います。
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by coast_starlight | 2006-11-25 02:57 | 考え方

<日々の出来事> 「女性と公共政策プログラム」ディナーイベント

昨日、ある先生の家での夕食会に行ってきました。ただし夕食会といってもタダで食事させてもらえる訳ではありません。今回の題目は「ジェンダー問題に関する男性側の視点」で、「議員の選出にクオータ制(一定数が女性でなければならないと法律などで定めること)は有効か」「ケネディスクール内でジェンダー問題を感じるときはどんなときか」といった内容で1テーブル6人くらいで(その中に必ず1人は男性が入る)話し合いをし、40分くらい各テーブルで話し合った後全体に発表するというものでした。ケネディスクール内には公共政策分野におけるジェンダー問題に関する研究および啓発活動を主な目的とした「女性と公共政策プログラム」という組織があり、今回のイベントは不定期に企画されるイベントの一環でした。このようなイベントの開催案内は月に1~2回メールで来るのですが、昨年はあまり真面目にメールを見ていなかったというか、学生全体宛のメールは正直なところ面倒がって読み飛ばしていたこともあるのですが、今年は「食わず嫌いはいけない」と思い可能な限りチェックするようにしています。去年は「えーっ、ジェンダー問題!?」という感じで自分の専門とかなりかけ離れることもありあまり気にも留めていなかったのですが、いざ参加してみると(今回のイベント参加は3回目)「こんな素晴らしいイベントがあったなんて!」と自分の気持ちを鼓舞する絶好の機会であることを認識しました。

夕食会が始まった時点では、まだお互い知らない者同士だということもあり自己紹介や世間話を和気あいあいとしていたのですが、いざ先生の挨拶がありその後ディスカッションが始まってからというものの皆自分の意見をバンバン話し始めるのでついていくのが大変!ディスカッションの結果たどりつく共通認識はどちらかといえば月並みで、これといった妙案も結論もないなーというのが正直な感想なのですが、大事なのはこういう議論を実際にするということだと思います。そのプロセスおよび経験がその後の行動に少しでも変化をもたらすとすれば、それはそれで大きな意味のあることだと思います。私を含め技術系のバックグラウンドのある人は、一つに答えが定まらなかったり目に見える成果がないと、このような議論をしても意味がないと思ってしまうことが多いような気がします。しかし、今回の例だと大多数の女性の中にジェンダー問題に関心がある男性を含めて問題について一緒に考え認識を深める作業のような、単に人が集まって議論をする行為自体が生み出す目に見えない価値(intangible values)を評価する――今すぐに評価できなくても、現時点では評価を保留し少なくとも「意味のないことだ」と切り捨てない――ことが、長期的に世の中に変化をもたらすことにつながるのではないか、と自戒の念をこめて思いました。

a0079741_13582588.jpg仕事と家庭生活の両立で多くの女性が思い悩んでいるということはどこの国でも同じなんだなと思いました。しかしケネディスクールには夫と子供を残して単身ここに勉強しに来た人や、家族を連れてやってきた人は意外と多いような気がします。例えば台湾人の外交官である女性は「以前海外勤務になったとき夫が仕事を辞めてついてきてくれることになったが、彼の同僚や友人、私自身の親にも反対されたのが辛かった」と話していました。究極的には夫婦2人の問題なのに、なぜ周りにあれこれ言われなければいけないのか、言ったところで夫婦の決断が変わるわけでもない、仮に変わったとしても夫婦以外に誰も責任をとれないのに…と思いました。普段の学校生活では、それぞれの悩みはあるでしょうが、少なくとも表向きは後ろめたさを感じさせず堂々としている姿が印象的だと、そういう彼女達の姿を見ていつも思います。一旦来てしまった以上は後ろめたさを感じても何も得るものはない、と仮に頭ではわかっていても、実際にその通り潔く行動するのはさぞかし大変だろうと想像します。私は一人で留学していますが、もし自分が同じような立場だったら…と想像することはあります。幸か不幸か今まで結婚相手が見つからなかっただけと言ってしまえばそれまでなのですが…。

ちなみにこの先生の家は超がつくほどの豪邸!大使を務められたこともあるこの女性の先生は、急にテレビインタビューが入ったということで初めに挨拶されただけだったのですが、アンティーク調度品のあふれる応接室にはただ驚くばかり。普通の教室とは違う優雅な雰囲気で行った今回のディスカッションは非常に得るものが多かったと思います。

偶然にも先日世界経済フォーラムが男女格差指数を発表し、日本は全体では79位、先進7ヶ国中では最低ランクというニュースを見ました。女性が自分自身でその地位を向上させるには、女性として生まれてしまったことを嘆くのではなくそれを受け入れ肯定し、性別にとらわれず自分自身の能力を向上させるよう努めることが重要だとは思いますが、このニュースを見て何か複雑な気分になりました。
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by coast_starlight | 2006-11-22 14:04 | 日々の出来事

<日々の出来事> 発表会

昨日は、ボストン界隈の日本人を対象にした発表会で発表をしてきました。私の専門分野である鉄道車両に関して、技術的な話と海外プロジェクトの話をしてきました。この発表会に来られる方の特徴としては、専門外だが頭のいい方が多いと言えると思います。従って基本から説明しつつも飽きさせないよう考えて準備したつもりです。誰かが私の断りなく勝手に自分の日記で宣伝してくれたものだからそれがさらにプレッシャーをかけ、金曜日の午後から土曜日の発表直前まで家でひたすら発表の準備をしていました。学校の授業に関係ない作業としてこれに加えて前日ボーゲル塾での発表もあったので、今週は本当に大変でした。

a0079741_023126.jpg鉄道技術に関する第1部は電車と気動車の違いに始まり、動力集中方式と動力分散方式の違いやMT比の話、騒音・環境対策など割と盛り沢山の内容だったと思います。あとで幹事の一人(文系の方)から「情報が次から次に入ってくるので消化するのに苦労しましたー」と言われてしまいましたが、確かに理系の知識が全くないと多少難しかったかもしれません。例えば直流車と交流車の説明をするときに、直流と交流の違いを表す図解(直流はまっすぐ、交流はサインカーブを描くグラフ)から入ったりと、私なりに最善を尽くしたつもりなのですが、やはり限られた時間だと限界があります。参加者の中にどれだけ鉄道ファンの方がおられたかはわかりませんが、その人達の欲求を満たしつつも素人にもわかりやすく説明するというのは至難の業だったと思います。(そもそも、彼らの欲求を満たさなければならないのかという別の問題があるとは思いますが、それはさておき…。)海外プロジェクトに関する第2部は、「中国が最近ナイジェリアで鉄道建設プロジェクトを受注したりとアフリカに援助攻勢をかけているのは、原油の調達先を求めるだけでなく台湾との断交や中国承認への外交的圧力をかける意味もあるそうだ」という最近の報道について話したり、プロジェクトの入札が発表されたらどういう流れで応札するかといった話をしました。技術の話とそれ以外の話というバランスを考えて話す内容を決めたつもりですが、どこまで楽しんでいただけたかどうか…。

発表自体は、まあまあの出来だったと思います。内容面では、可能な限り体系的にまとめることができ、手前味噌ですが自分が新入社員のときこういう話をしてくれる人がいればその後の仕事がだいぶ楽になったのに…と思いました。しかしプレゼンテーションの質という面では、自分への記録用に録音したものを聞きなおすと「えー」とか「あー」とかいう意味のない間を持たせる音が多く入っていて、まだまだ改善の余地は大きいと思いました。

発表会終了後懇親会に行ったのですが、座席が詰めて配置されていたというか、一旦座ったら動き回れるような場所ではなかったのであまり多くの方とお話できなかったのが残念でした。いろいろ発表の印象を聞いてみたかったですー。発表に来てくださった方で昨日お話できなかった方へ: 今後何かのイベントでお会いした際にでも是非感想を聞かせてください。発表する側になってわかったのですがとっても気になりますので。
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by coast_starlight | 2006-11-20 00:27 | 日々の出来事

<日々の出来事> 近況

a0079741_10491543.jpgえー、更新が滞っているけど最近忙しいのかって?そうなんです、忙しいんです。でも、そろそろ真冬並みの気温になってもおかしくない頃なのにとっても暖かいから動き回りやすいのが幸いです。この3日ほどは昼間の気温が20度近くまで上がり、本当に自分はボストン近郊に住んでいるのかと思うくらい。だからかもしれませんが、学校までの道でリスを見かけたりします。天気予報によると明日から少し寒くなるようですが…。





a0079741_10493833.jpgところで、忙しい日常こそ精神統一の時間が必要、と思って学校の診療所で開かれていたメディテーション(瞑想)セミナーに行ってみました。診療所では他にもヨガやピラティスなどの講座が開かれています。メディテーションだけタダだったので行ってみることにしました。でも瞑想にふけるって難しい。ただボーッとするのではなく能動的に何も考えない、頭を空っぽの状態にするのは大変。でも雑念を追い払うといろいろなものの「気配」に敏感になるというか、今まで感じられなかったものが感じられるようになるような気がします。



そのほかに今週したことというと、いつも通り学校の授業を受けリーディングをこなしペーパーを書き、ボストンキャリアフォーラム(主に日本人留学生を対象に行われる合同就職説明会)のためにボストンにやってきた友人と久々に会って食事したり…そんな感じです。

いろいろ書きたいネタはあるのですが…こんなつまらない話でお茶を濁してしまってすいません。それではまた。
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by coast_starlight | 2006-11-18 10:53 | 日々の出来事

<日々の出来事> KSG Citizen

ケネディスクールでは学生が2週間に1回発行する新聞「KSG Citizen」があります。今回号のベスト3を勝手に挙げてみました。

・第3位 ハーバード同窓会パワー恐るべし
「ハーバードの同窓会ネットワークはすごいらしい」と聞いていたドイツ人学生が、試しに夏休み中ミュンヘンのハーバード同窓会にコンタクトをとり、集まりに顔を出してみたところ、そこにはヘッドハンターも来ていた…。「履歴書を後日送ってください」と言われ送ったところ早速インタビューに呼ばれ、あれよあれよという間にプライベートエクイティファームに就職が決まっちゃいました…という話。

・第2位 イスラム教徒の学生がケネディスクールに対してお祈りスペースの設置を要望
学校としてはお祈りスペースを設置する義務はないものの、可能な限り要望に応えるべく今年度から学校内のある部屋をお祈りのために使えるよう配慮。しかし半ば物置のようなこのスペースは祈りをささげるにはお世辞にも適切な環境とは言えず、学生は環境の向上を訴えています。ケネディスクール内には多数のイスラム教徒が存在するものの、教義をどこまで厳格に守っているかどうかは人それぞれで、1日5回のお祈りを行う人もいればそうでない人もいます。お祈りスペースの設置要望は過去にも何度かあったものの、今年は例年にも増して希望者の数が多いのだとか。ケネディスクールの学生にイスラム教徒が増えていることの表れかもしれません。

・第1位 宣教師の子に生まれて
宣教師の家庭に生まれ、自分自身も現在バプティスト教会で牧師として週末働くある学生の話。小さい頃家族の宣教活動のため世界各国を転々としていた彼は、10歳の時家族で滞在していたクウェートで湾岸戦争に巻き込まれ人質にとられたことがあり、これらの経験から将来は牧師になろうと思っていたそうです。(ちなみに彼の救出に尽力した当時の在イエメン米国大使は、昨年ケネディスクールにシニアフェローとして在籍していたらしい。)一方、自分の信仰を恵まれない人のためになるような活動につなげたいという思いから、大学卒業後ボストン近郊のドーチェスターという貧困地区で、彼と当時のガールフレンド(現在の妻)の2人で主に黒人女性およびその子供やドラッグ中毒の若者に対して聖書の勉強会をはじめたそうです。白人である彼は「自分はここで一体何をやっているのか」という気持ちになることはあるそうですが、地域に根ざした活動をすることによりその地域に住む人たちの信頼を得ることが何よりの価値ある経験なのだとか。

ホント、ケネディスクールにはいろんな人がいるなーと今更ながらに思います。でも皆学業などで忙しくてあんまりゆっくり話をする機会がない!そんな中で同級生のことを知る良い情報源だな、と珍しくこの新聞を真面目に読んでみて思いました。
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by coast_starlight | 2006-11-15 12:23 | 日々の出来事

<日々の出来事> ボストン湾クルーズ

この週末は金曜日が祝日のため3連休。木曜日の夜にケネディスクール生徒会主催のボストン湾クルーズがあり参加してきました。往復の交通がついて20ドル(クルーズのみなら15ドル)という価格は普通ではあり得ない!と半ば貧乏根性で行ってみたのですが…。

a0079741_2253598.jpg夜10時にケネディスクール前集合ということで行ってみたら、そこに停まっていたバスは、何とスクールバス!!これが夜中の高速をひた走りクルーズ船の停泊するボストン湾に向かうのか…と思うと何か複雑な気分でした。でも中ではワインが振舞われたりと生徒会が頑張ってサービスしようという姿勢が感じられました。スクールバスは所詮スクールバスだから、寒い・うるさい・揺れると乗り心地の悪さでは3拍子そろっていましたが、バス代が往復5ドルじゃ文句言えないよな…と思って雰囲気を楽しむよう努め、何だかんだ言ってケネディスクールらしいかも、と思いながら乗っていました。



a0079741_22553780.jpgクルーズ船自体はわりと立派で、スクールバスとのギャップに驚きました。中ではアルコール類のみ有料だったのですが、食べ物もまあまあ良くて、デザート類がかなり充実していたので、満足度は高かったです。メインホールではDJがリクエストに応えて音楽をかけ場の雰囲気を盛り上げ、ダンスホールと化していました。騒がしい雰囲気が苦手な人は上の階に上がりボストン湾を眺めてまったりとした雰囲気を味わうことも可能です(寒いけど)。私も普段あまりしゃべらない人といろいろ話ができて満足でした。





a0079741_22533352.jpgというわけで船はボストン湾に1時過ぎに戻り、その後スクールバスで2時頃ケネディスクール前到着、その後はシャトルで家まで送ってもらいました。このシャトルには他にも7~8人乗っていたのですが、「へぇー、この人たちってそうなんだ」(すっごい他人事な口調)という男女の組が一緒にどちらかの自宅前で降りていたりして、それはちょっと見たくないものを見てしまったようでイヤだったかも…。だったらタクシーで2人だけで帰ってよね!という気分。そこが学生なんでしょうけど…。
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by coast_starlight | 2006-11-12 22:57 | 日々の出来事

<授業のはなし> 先生とランチを食べよう!

ケネディスクールには、"Take a Faculty Member to Lunch Program" という制度があります。これは、学生側から先生の誰かを囲む昼食会を計画し開催した場合、昼食代が一部支給される(8ドル/人・最大人数8人)というものです。正直なところ補助額は大したことないのですが、この制度の存在のお陰でこれを口実に先生を昼食に誘いやすいというのはあると思います。授業外で先生ともっと話がしたい、先生のご経験についてあれこれ聞いてみたいという学生の要望をうまく取り入れたとっても良い制度だと思います。

というわけでこの前の水曜日、その制度を利用して会計学の先生とお昼を食べてきました。人数は先生+学生4人の合計5人で、2週間前に終わった会計学の授業についての話や、先生が以前働かれていた会計事務所での経験談、先生のお子さんの話などあらゆる話が聞けて楽しいひとときを過ごすことができました。先生のご専門は大学など高等教育機関の会計監査なので、アメリカと日本での大学の収入源の違い、また親の教育費負担に関する考え方の違いといった興味深い話もすることができました。

ケネディスクールで教えている先生であれば、常勤/非常勤を問わず誰を誘っても構いません。また昼食補助の年間総額は決まっているためお金がなくなり次第終了します。いわゆる「早い者勝ち」です。学生側は最低2人必要・同じ先生を誘ってはダメという制約はありますが、一人の学生が何回申請しても構いません。昨年は自分からアレンジしたことは全くなかったのですが(一度お誘いを受けただけ)、今年は面倒がらずいろいろやってみようと決意し、ようやく第1回をアレンジしたのでした。あとは今月末に統計学の先生と同制度を利用しお昼を食べる予定です。

もしケネディスクールの同級生でこれを読まれている方がいれば、是非この制度を利用して先生との昼食会をアレンジすることをお勧めします。手続き自体はとても簡単ですが、先生は多忙なことが多く計画は早め早めにしたほうがいいです。わからないことがあれば私にメールください。
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by coast_starlight | 2006-11-11 10:46 | 授業のはなし