<考え方> 割引率

割引率(discount rate)というと、企業価値などを評価する際に将来の価値を現在の価値に直すために使うレートというのが主な概念だと思いますが、人間関係における「割引率」って何でしょうか?身近な例として以下のような状況を考えてみたいと思います。


<例題> スーツケース貸してよ

昨年のある水曜の夜、携帯にある友人(アメリカ人)からメールが入っていました。3泊ほどの小旅行をするのだそうです。

「今小さいスーツケースがないから、もしいいのがあれば貸して欲しいんだけど。」

「いいよ。で、いつがいいの?」

「土曜日の朝に取りに行っていい?金曜日にメールするから。」

「わかった。おやすみ。」


金曜日の夜。自分からメールすると言っておきながらまだ連絡してこないし。私もそろそろ眠くなってきたよ…と思いメールしました。

「明日10時に学校に行かなければならないから9時45分に学校へ行く通り道の交差点で渡したいんだけどそれでもいい?」

「9時にそっちに取りに行っていい?」

「早めに欲しいんならそれでもいいけど。私の家の前に来たら電話して。下まで持っていくから(私の家は17階)。」

「わかった。」


そして、土曜日の朝。9時半頃になっても何の音沙汰もなし。9時に取りに来るって言ったじゃん!それに私の家は彼の家から歩いて5分くらいだし、大して来るのが面倒な訳ではないはず。そろそろ学校に向かわなければならないので電話(留守電)とメールにメッセージを残し、9時40分頃家を出ました。で、10時ごろ彼から返信が来ました。

「ごめん。寝すごした。今回はいいよ。また戻ったら会おう。」

さすがに「オッサン何カマしてんねん!」って一瞬心の中で思いましたよ!でも、以前の自分だったらすぐ機嫌を悪くしていたと思いますが、別に腹は立ちません。たぶんこれで友人関係が壊れることもありません。どうしてでしょう?


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答えは簡単。私の中で彼に対する「割引率」が高いからです。それまでの経験から「やっぱりやめる」と言ってくる可能性は高いと思っていたので、初めから話半分(あるいはそれ以下)に聞いていたからです。(ハーバードの学生だったらその辺ちゃんとしてると思ったら大間違いですよ…。)別にそれが相手に対して失礼になるということはありません。実はその水曜日の夜、メールが来る少し前まで私は彼と(夕食か飲みかは忘れましたが)一緒にいたのです。本当に困っていたのならその時に話をして帰り道に渡すということもできたので、後になってから携帯メールが来た時点で「この人思いつきで言ってるな」と少し思ったのも事実です。従って、彼にスーツケースを貸そうが貸すまいが私から見て失うものは何もありません。特に自分のスケジュールを変えることもないし(逆に言うとこれくらいの用事じゃ変えない)、私の頭の中のメモリ全体におけるこの出来事の占める比率はかなり低かったので、今振り返っても「あぁ、そんなこと言ってたな」くらいにしか思いません。ただ、彼に対する割引率はさらに上がったかもしれませんが。あんまり優しく接しすぎると調子に乗られる可能性もあるので(?)、適度なところでハッキリと「いい加減にしてよ」と言わなければいけないのかもしれませんが、その見極めが結構難しいところでもあります。(でも、相手が日本人だったら腹立てるでしょうね。)しかし割引率が高いと、何か調子のいいことを言っていても「まあいつ実現するかは不明だな」と思う反面、何かやってくれるというときはそれが実現するとうれしさも増します。

留学生活を始めてから、あまり人に対して腹を立てなくなったような気がします。というか、腹を立てても仕方がない、どのみち自分に跳ね返ってくるだけだから腹を立てるだけ損、と思うことが多いと言ったほうが正しいかもしれませんが…。もちろん、何かイヤなことを直接意図的にされた場合は腹が立つでしょうが、認識の相違や連絡の行き違いといったことについては「あ、そういうこともあるのね」と気楽に構えることができるようになりました。割引率に絡めて言うと、許容できる割引率が大幅に上がったということかもしれません。

さて、上記の例ですが、頼まれごとの受け手として真面目に考えると結構失礼です。「おいおい、自分から言っておきながら何だよ…」と腹を立てるを通り越して呆れても仕方ないところです。でも、こういう人、過去の経験からも少なくなかったです。これから留学生活を送られる方はご参考まで。
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# by coast_starlight | 2007-06-23 10:22 | 考え方

<話のネタ> リーダーシップを発揮する人々

ケネディスクールで学生をしながら、あらゆる分野で活動しリーダーシップを発揮する人はたくさんいます。例えばKSG Citizen 誌(校内新聞)には、ハーバード大学の学長に対し、ジェノサイドに加担したと思われる地域(ここでは特にスーダン)へ企業が投資活動を控えるよう働きかける団体を立ち上げることを提案する活動を展開中の学生の話が載っていました。またこれに対して「投資活動を控えさせることで済む話じゃない。それによってスーダンの人々がさらなる貧困状態に陥るほうが問題だ」と言って反対活動を行う学生もいます。3月中旬には、インドのあるNGO活動家がケネディスクールを訪問していたことと併せて、その活動家に感銘を受けた韓国人学生がチャリティーバーベキューを企画していました。土曜日の昼に行われたこのイベントで集められた募金は1600ドルくらいなのでものすごく多いわけではないのですが、数時間のイベントとしては決して少ない額ではないですし、インドで活動するNGOへの資金援助としてはかなりインパクトのある額だと思います。

もっと身近な例だと、春休み期間中にケネディスクールの日本人学生と韓国人学生の有志が、日韓両国に関心のある学生を対象に日韓訪問ツアーを企画していました。この企画に携わっていた人たちは昨年の段階から日程決めや各種手配にかなりの時間と労力を費やしていたようです。特に旅行直前は中間テストなどで授業も忙しい中皆大変だったようです。私は「卒業まで帰国しない」と決めていたため旅行には参加しなかったのですが、参加者に配布する事前学習資料の作成を少し手伝いました。でも今から思えばそう決めた理由は極めて個人的なものなので、「日本の姿を知ってもらいたい」という利他的な気持ちが他の企画に携わっていた人たちよりも単に少なかっただけじゃん、と思うと後悔の念がないわけでもありません。特に韓国で「ピ」の事務所訪問という日程が入っていたと知っていたならば…。

私がこの学生生活で何かイニシアチブをとって行ったことってあるかなぁ…と振り返ってみたのですが、大してないことに気づき少し愕然としています。強いて言えば、1年目の秋学期に行った寿司に関するプレゼンテーションかもしれません。「SUSHI」はもう英単語の一つとなっていますが、レストランやスーパーにある寿司ってかなりアメリカ風にアレンジされていて、これが寿司と思われていたとしたら私としては遺憾…と思い寿司についてMPAコースの学生を対象に20分くらい話をしました。結果はまあ好評だったと思います。

何かに対してイニシアチブをとるために必要なのは、結局のところ「強い思い」だと思います。とすると、当時私は寿司に対して強い思いを持っていたのか、という質問が出るかもしれませんが、そこはあまりつっこまないでください。
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# by coast_starlight | 2007-06-18 22:48 | 話のネタ

<話のネタ> Gmailデビュー

今まで使っていた学校のメールアドレスが卒業後は使えるものの自動転送扱いになるためどこかメールアドレスを登録しなければならなくなり、今まで持っているアドレスでもいいのですが使い分けしたいため、グーグルのメールサービスであるGmailにアカウントをとることにしました。クラスメートのかなり多くがGmailを使っているのですが、私は今までヤフーのものを使ってきました。変えても良かったのですが99年から持っているアカウントだし何だか面倒でそのままズルズルと現在に至ったというのが実際のところです。そんなわけで遅ればせながらGmailデビューを果たした私ですが、今更ながら「これはすごい…。」と心の中で静かに絶叫しています。何がどうすごいかというのは説明しにくいのですが、同じタイトルのメールのやりとりをまとめて見ることができたり、メールアドレスを打ち込む手間がかなり省かれている点、他のメールアドレスからあたかも送ったようにできる点など、使い勝手を相当研究していることが感じ取れます。確かに生産性という点では他のメールサービスよりすごいかも、と思いました。ただ絶えず自動的にメールをチェックするので、それなりにPCに負荷がかかりますが。

一つ複雑な気分になるのが、画面右側に出てくる広告。メールのタイトルや文面に合ったものが基本的に出てくるのですが、ときどき恐ろしいほど図星な広告が出てきたりして、「誰かがこのメール見ているのか」と思うくらい。誰か頭のいい人が考えたアルゴリズムによってそれは実現されているとはいえ、「何かなぁー」という気分になるときがあるのは事実。ヤフーはそこまで露骨に広告出してこないので、今までヤフーメールを使っていたのはそのためかな、と思いました。

さて、私のGmail生活はいつまで続くのでしょうか…。
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# by coast_starlight | 2007-06-14 10:05 | 話のネタ

<日々の出来事> ハッピーアワー第二弾

a0079741_1054376.jpg日曜の朝両親が日本に戻って急に一人になったことと、天候がまあ良かったのでまた家でパーティーをやってみようと思いつき、その日の夜行うことにしました。とりあえず今年卒業する人たち全員に案内メールを出したら何人来るかなーと半ば実験の意味もこめてやってみました。既にケンブリッジを離れた人たちも多いだろうから、来たとしてもそんなには多くならないはず、せいぜい15~20人くらいと見積もりました。

「私は17階の部屋に住んでいて、バルコニーからはボストンとケンブリッジが一望できます。私のことを知らなくても構わないから興味があったら来て!」果たしてこんな案内で、しかも超ギリギリの連絡で人は来るのでしょうか?半信半疑でやってみたのですが、見積もり通りの人数が来てびっくりしました。しかもほとんどが顔を知っている程度/全然知らなかった人!興味深かったのは、来てくれた人の多くが私と違うプログラム(MPPやミッドキャリア)で、本当に全く接点がなかった人たちだということ。2年近く学校に通っていても全然知らないもんなんだねー、なんてお互い話していました。でも前回よりもアルコールの消費量は格段に多かったです。これは単に来た人が良く飲む人たちだったということですが、これは読めませんでした…。

今回2回パーティーをやってみてわかったのですが、このような超インフォーマルなパーティーを開く際、日本人としては以下の点に留意したほうがよいと思いました。

1.家の周りのものは勝手に触られると思っておく
どうやら人々は「呼ばれた=そうしてよい」と解釈するみたいです。本棚の本とか結構詮索する人はいます。冷蔵庫もしかり。皆冷蔵庫を勝手に開けて水とかジュースとか取っていきます。入られたくない空間がある場合、ドアを閉めておけばそこは基本的に入ってはいけないということなのでドアを閉めておきましょう。

2.土足にするか、靴を脱いでもらうかを決めておく
私の家はフローリングであり、いちいち靴を脱いでもらうのも面倒だったので土足OKにしました。その代わり、リビングにあるテーブルなど普段床の上に置いているものは全てベッドルームに移動しました。

3.知らない人が突然来ても驚かないこと
友人の友人とか、単にパーティーがあるという知らせを聞きつけて来るという人もいます。私もそういうパーティーに行ったことあります。快く来てくださったことに感謝しましょう。

4.Open-mindedness
上記3.と絡みますが、誰が来ても同じ態度で歓迎しましょう。

今から思えばこういうことを「試す」というとちょっと変ですが、去年の9月とかにやっておけば…と少し思いました(それ以降はやりたくても寒くてできない)。そうすればその後話す機会がたくさんあったのに。パーティーの参加者同士だとなかなか顔を覚えていなかったりしますが、自分が主催すればホスト/ホステスの顔はさすがに参加した人は皆覚えます。それにパーティーを主催してわかることもいろいろあるので、留学中/これから留学する人は、こういうパーティーを一度は主催してみることを是非お勧めします。
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# by coast_starlight | 2007-06-13 10:54 | 日々の出来事

<日々の出来事> 卒業式

ハーバード大学では卒業式のことを Commencement といいます。英語で commence とは「始まる」という意味でもあります。学校の卒業とともに、新しい門出を祝う、そんな意味がこもっているのだと思います。しかし式典は8~9時間の長丁場!正直言って感慨に浸る時間よりもこれらをこなすのに精一杯で疲れを感じた時間のほうが長かったかもしれません。だって昨日は朝5時起きだったんだもん。大まかなスケジュールはというと…

07:00 ケネディスクールへ集合・クラス写真撮影
08:00 ケネディスクールからヤード(学部の校舎)まで歩く
09:45 Morning Exercise 開始
11:15 ヤードからケネディスクールに戻る
12:00 学校に再び集まり、アルファベット順に整列
12:30 卒業証書授与式開始
14:00 家族と合流し授与式会場の隣のテントでランチ
14:30 ヤードでハーバード大学の学長およびビル・ゲイツのスピーチ
      (ヤードに行かずケネディスクール内のフォーラム会場で見ることも可能)
15:30 フォーラム会場などで写真を撮ったりし、三々五々と人々が帰宅し始める
~以下適当

そんなわけで、卒業式は大まかに三部構成となっています。


0.クラス写真撮影

a0079741_545689.jpga0079741_542261.jpg他のスクールの場合はわかりませんが、ケネディスクールの場合は早朝7時に学校に集まってクラス写真を撮ることになっています。待っている人のために朝食が用意されており、朝からシャンパンも置いてあってビックリしました(さすがに飲めなかったけど)。各プログラム別に分かれて並んで写真を撮るのですが、これが結構大変!朝一番に集まってクラスメートと会ったら「おぉー!おめでとー!」とかいう歓声が上がりそこら中で人々が抱き合って話し始めたり写真を撮り始めたりするので全然写真撮影場所に人が整列せず、自分のプログラムの写真撮影が始まっているのにそれに気づかず最後の一枚を写す…というときになって慌てて気づいて並び始める人がいたりして、なかなか終わりませんでした。日本と違って列に並んだり集団で動くということに対してトレーニングされていないからなんだろうけど、「あぁ、やっぱりな」妙に納得していました。この後のヤードまで歩いていくときもしかり。上記のタイムスケジュールでヤードまで歩いて行くところから Morning Exercises 開始まで2時間近くありますが、これは他のスクールの人たちも含めて全員が揃うまでそれだけ時間がかかるということです(その間実はかなりヒマだったりします)。ちなみに、ケネディスクールからヤードまでは歩いて10分もかかりません。卒業生が4500人くらいいるからだとはいえ、朝礼などで「前にならえ」「やすめ」とかいう「訓練」をやってきた日本人だったら半分以下の時間で済むだろうな…と思いました。


1.Morning Exercise

a0079741_54813100.jpga0079741_54694.jpg卒業式第一部である Morning Exercise に入るには、卒業生本人であり卒業式の格好(ガウンとキャップのお決まりの格好…総称 regalia)をしているか、チケットを持っている必要があります。このチケットは前々回の記事でも書きましたが、各卒業生に2枚配布されるもののそれ以上必要とする人も多いため直前にはあらゆるところで「取引」が行われるようです。Morning Exerciseでは、ハーバード大学の学部・大学院全てのスクールの卒業生およびゲストが一同ヤードに集まり、卒業生代表のスピーチおよびハーバード大学学長から各スクールの Dean (校長)に対して学生に学位を授与する権限を与える宣言が行われます。この際、各スクールの名前が呼ばれたらそのスクールを代表するモノを歓声とともに卒業生が掲げるという習慣があります。例えばメディカルスクールだったら手術用の(?)ゴム手袋、教育大学院だったら教科書などで、ケネディスクールはビニール製の地球儀のボール(息を入れて膨らませるやつ)を例年使っているようです。

またこのときに行われる卒業生代表スピーチは3つあるのですが、そのうち1つが学部の成績優秀者によるラテン語スピーチです。でもネタはなぜかスターウォーズ。学校の施設やスタッフをスターウォーズのキャラクターに絡めて話すという結構笑えるスピーチで、R2D2やジェダイといった名前もちゃんとラテン語に訳していて、その箇所では皆大爆笑。そもそもそんな話を何でラテン語でしなければならないかと思いますがまあ伝統なんでしょう。このスピーチの難しいところはプログラムの中にスピーチ原稿(ラテン語およびその英語訳)が配られるので、話すべき内容を度忘れしてもその場で変えることはできないため一字一句正確に暗記していなければならないのです。しかもラテン語で。今回スピーチした彼は最初から最後まで堂々とした態度素晴らしいスピーチを行い、内容も完璧、一つも間違えていませんでした。お見事!他の二人の英語のスピーチをする人はどのようにして選ばれるかというと、この目的のために春にスピーチコンテストが行われます。学部・大学院でそれぞれ一人づつ優勝者がスピーチをするわけですが、今年はケネディスクールの学生がスピーチをすることになり少し盛り上がりました。学校ではこのコンテストの参加者のために専門の講座が開かれていたくらいです。先生もさぞうれしかったことでしょう。

最後に行われる名誉学位の授与式はかなり面白かったです。今年は(確か)7人に名誉学位が送られたのですが、そのうち2人が女性科学者でした。これは2年近く前、当時学長だったラリー・サマーズが「女性は生まれつき科学には向いていない」という旨の発言をしてそれが議論を呼び、(他にも理由はあるでしょうが)学長を辞任することになったことにも関係しているかもしれません。(何か政治的なニオイを感じるよね、と同級生と話していました。)一旦学長になると10年くらいは務めるのが普通な中でわずか5年で学長が辞めるという稀に見る出来事が起こりました。新しい学長になる7月1日(アメリカでは7月1日が日本でいう年度始まりみたいな感じ)までは以前学長をしていた人が暫定的に学長を務めることになったのですが、それ故に今年の卒業証書には学長のサインのところに学長(President)ではなく暫定学長(Interim President)という肩書きが入るという前代未聞の卒業証書となりました。ちなみにラリー・サマーズ前学長も名誉学位を授与されていました。このときは会場に一斉に歓声が沸きました。賛否両論がかなりあった人なので、ものすごく支持する人とものすごく支持しない人の両極端に分かれているみたいです。

ちなみに Morning Exercise はインターネットおよびローカル局で中継されます。中継の際は野球の実況中継みたいに司会と解説者がいて、その人たちも卒業生と同じようなガウンを着ています(実は結構笑える)。ご興味のある方はこちらの Multimedia というところで見られるので見てみてください。


2.卒業証書授与式

a0079741_5562027.jpga0079741_5535897.jpgMorning Exerciseが終わると卒業生およびその家族はぞろぞろと各スクールの校舎に戻り、その後の卒業証書授与式で一人づつ証書が渡されます。ケネディスクールの場合は校舎の裏にある公園に大テントが張られ、そこで式が行われます。卒業生はまず校舎でプログラム別およびアルファベット順に並ぶのですが、写真撮影と同様集団行動に慣れていない人たちなのですっごく時間がかかりました。列に並んだ後授与式会場まで音楽とともに「行進」していくのですが、個人的にはこの瞬間が一番ぐっとくるというか、「あぁ、卒業するんだ」という気持ちになったと思います。途中の「花道」では卒業生の家族や友人達がたくさん出迎えのため待っていて、私も去年卒業された先輩の女性がわざわざニューヨークから来られたのを見つけたときにはものすごくうれしかったです。

全員が席に座った後学長のスピーチがあり、続いて卒業生一人一人に証書が渡されます。厳密に言うと白い封筒に証書が入っているのですが、学費などの費用(term bill)を全額払っていなかったりするとその中には証書がなく「金払え」という紙が入っているそうです。私の封筒には、ちゃんと証書が入っていましたよ!


3.学長およびゲストのスピーチ

a0079741_5572543.jpg昼食の後、再びヤードで学長およびゲストによるスピーチがあります。今年のゲストはビル・ゲイツでした。今回ビル・ゲイツには名誉博士号が授与され、Dr. Gates と紹介されていました。私の両親は昼食後ヤードまで行きスピーチを聞きに行ったのですが、私は同級生と写真を撮ったりしていたこととヤードまで歩いていくのが面倒になったのでケネディスクールの校舎内で放映されるスピーチを見ることにしました。今年はアップルのスティーブ・ジョブスがスタンフォード大学の卒業式で講演することになっていてそれと比較してどうだろう、という話を前日に同級生としていたのですが、ビル・ゲイツのスピーチも悪くなかったです。マイクロソフトの経営自体からは一線を退き財団活動にほぼ専念しているからだと思いますが、地球全体における不平等にもっと関心を持つことの重要性を特に訴えていたような気がします。


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その後も学校近辺に残って同級生とおしゃべりしたり写真を撮ったりするためにしばらく残っていました。この機会を逃すと次いつ会えるかわからない、一期一会という言葉を思い出した瞬間でもありました。4時半くらいまでいたのですがすぐに家に帰る気力は出ず、しばらく学校の中庭のベンチでボケーッとしていたのですが、2年近くの留学生活を総括するにはまだしばらく時間がかかりそうです。結局日本には今月末に戻ることにしたので、これから3週間、少しづつ振り返っていきたいと思います。

でも、何はともあれ、無事卒業できて良かった!
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# by coast_starlight | 2007-06-09 06:00 | 日々の出来事

<日々の出来事> 往復書簡

5月21日(月) 5:20

返事がかなり遅くなってごめん。旅行したり上海にいる僕を家族が訪ねてきたりとかでずっと忙しかったんだ。毎晩君にメールを書こうと思っていたんだけど、どういうわけか今日になってしまった。いずれにせよ最後の学期が無事終わったみたいでよかったね。学校生活が終わって前に進めると思うとうれしいんじゃないかと思う。

中国はまだ未開発の部分はあるけど独自のペースや基準(影響は少なかったりするんだけど)で物事が進んでいるところがある。最近はようやく変わりつつあるけど(恥ずかしながら)。現時点では、中国は経済開発や製品イメージの点で日本の80年代に近いところがあるんじゃないかと思う(※私はこれには必ずしも賛成ではないですけど)。5~10年後は確実に変わっていると思う。でも現時点では世界中の製造業や流通業に対する需要がかなり中国にあって、(車や電子機器などの需要という点で)日本を含めた周辺国にも影響を与えていると思う。中国は過去10年ほど8~10%の経済成長をし続けていて、近々それが終わる気配もないし(過熱を防ぐという意味では一時的に止める必要はあるかもしれないけど)。だから世界全体に与える影響は大きいわけで、それが僕がここにいる理由でもあるんだ。うまく波に乗れればいいと思っているんだけど。

今月末からアメリカに戻るかもしれなくって、ボストンにも立ち寄るかもしれない。もしそのときにいるのであれば会っていろいろ話をしたいね。もし会えなければ日本に戻ってからこっちに来るべきだよ。もし来るのなら街を案内する。いずれにせよ近いうちにいろいろ話をできるのが楽しみだよ。

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5月21日(月) 12:44

元気にやっているようでうれしいです。私のほうはこの前の木曜日に親知らずを4本抜いてちょっと痛い思いをしていたけどね。ここの天気は昨年の今頃と同じ感じでちょっと変。そういえば去年の今頃30日以上太陽を見ていないとか言っていたよね(※彼は雨男)。幸い今日は天気はいいです。上海の天気はどう?

私の予定はというと、来週は両親と旅行に行くことになっているけど、それ以外は基本的にいるよ。今年の卒業式は6月7日。今年は雨が降らないといいんだけど。もしボストンに来るのなら教えてね。そうでなければ私が中国に行ってみたいと思います。

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5月21日(月) 21:43

おぉー親知らず抜いたんだ。まあ良い点はもうないってことじゃない。お大事にね。そうそう、確かに去年の今頃雨ばっかりだって言ってたね。その時期はなぜか僕が行く場所に限って雨が降っていたんだ。でもその後太陽が見られたからまあ良かったんだけど。ここ上海の気候はいいよ――大気汚染を除いてはね。そんなにものすごく悪いって訳じゃないけど。ボストンは春が一番いい時期だよね。外も緑が見えてきたんじゃない?その時期はボストンにいると思うから会えるといいと思う。それじゃ旅行気をつけて。

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6月4日(月)

返事が遅くなってごめんなさい。昨日まで旅行をしていてその間ずっとネットにつないでいなかったの。ある意味いい気分転換になったけど。それはそうと、ボストンに行く日は決まった?私は6月中はケンブリッジにいるからその間に来るのであれば教えてね。中旬に旅行をする予定があるけど、それ以外なら大丈夫です。ここ数週間ある人とゴタゴタがあって実はちょっと落ち込んでいたのだけど今は大丈夫かな。だからもらったメールはつかの間の気晴らしになったよ。またいろいろと話したいね。

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6月5日(火)

ご両親と良いときを過ごすことができたようだね。確かにちょっとの間オフラインになるのも気分転換になるというのはわかる。僕のスケジュールはまだよくわからないんだけど、来週くらいボストンに行けそうかなと思う。ゴタゴタの件は気の毒に思うよ。でも大事なのはどうしようもないということじゃないかな。既に起こってしまったことは終わったことだし。それを受け入れて前に進むしかないよ。忘れるか現状より良くしようと努力するかのいずれかの方法でね。現実はもっと複雑なんだろうけど、実際にとれる選択肢はそれしかないと思うよ。でも最後にはいつも何とかなる――良いか悪いかは別として。生きていて学んで、僕達は皆間違いを犯すのだと思う。

僕のほうも予定が決まり次第必ず連絡するよ。気が楽になるように祈るよ。卒業式の一週間楽しく過ごしてね。ご両親はとてもうれしいんじゃないかな。それじゃまたね。

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6月6日(水)

メールありがとう。確かにあなたが言うように前に進むしか選択肢はないとは思うんだけど、私はたまに自分自身が反芻動物だと思うことがある――つまり起こったことを何回も考えて理解しようとし、そこから何かを得ようとする傾向があるんだと思う(牛が食べものを消化するのに何回も噛まなければならないようにね)。一応前に進めるよう自分を持っていくことはできるのだけどそのためには時間と精神的エネルギーが必要なんだよね。この2年間、学業面よりもどちらかというと精神的に辛い状況に置かれながらも人と共感する能力を下げないようにする努力をし、またそれを学んできたのだと思う。違う考え方を受け入れて(embrace)、必要であれば他人と共感することにあまりこだわなければもっと楽なんだろうけど、どうも私はこれらの価値観を捨てたくないような気がする。

それじゃ詳細の予定が分かり次第教えてね。ではまた。
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# by coast_starlight | 2007-06-07 01:11 | 日々の出来事

<日々の出来事> Commencement Week

今週一週間は Commencement Week といい、木曜日の卒業式を中心にあれこれイベントが組まれています。といってもほとんどがレセプションやパーティーで、2年間の学校生活で出会った同級生達とできるだけたくさん話して写真をとってさよならを言う、そんな一週間です。一応天気予報によると卒業式当日は晴れ時々曇ということで昨年のような大雨は免れそうですが、証書授与式が行われる JFK Park (学校の裏にある公園)には既に大きなテントが張られていました。

ちなみに、木曜日の卒業式当日は朝7時には学校に行き写真撮影などがあります。何せ4500人の卒業生と32000人のゲストが来る、超一大ビッグイベントです。ゲストは主に卒業生の家族ですが、これにかこつけて両親や兄弟姉妹だけでなく親戚が20人くらい来るという同級生もいて、準備が大変だとか言っていました。だからこういう人数比になるのだと思います。私のところは日本から両親が来ています。他の日本人同級生も両親あるいはどちらか一方の親+兄弟姉妹一人が来たという人が多いです。卒業式会場に入るにはチケットが必要で、これは各学生に2枚づつしか配布されません。そのため「いらないチケットはないですか」という問い合わせが学年が始まる頃から全体メールに流されたりしていました。表向きは売買禁止なのですが、たぶんかなり高値で取引されているのだと思います。噂によると、1000ドル(約12万円)以上払う人もいるとか。

最後のイベントは金曜日の New Alumni Reception なのですが、何年か前にケネディスクールを卒業した Lisa (行きつけのマッサージ屋のお姉さん)と今日話をしたところ、このイベントが一番泣けるイベントだったと言っていました。なぜなら、この後には何もイベントがなく、人々が本当に去り始めるから。卒業式を前の日に終え、卒業生になったということを実感するときなのだそうです。一体、そのとき自分はどういう気持ちになっているのか…そのときになってみないとわかりません。

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今は火曜日の夜。昼間の各種表彰式(成績優秀者や学校生活で何か貢献をした人たちを表彰する式)の後レセプションがあり、本当はその後同級生の家でのパーティーに行こうと思っていたのですが、卒業式のガウンをクープ(大学生協)に取りに行ったり卒業証書のフレームを買ったりした後家に戻ったら疲れ果ててしまい、寝ていたら夜の11時になってしまいました。そんなわけで今一人で家にいたりします。この一週間は、喜びと悲しみが入り混じる、ある意味で精神的に辛い一週間でもあります。真面目に寂しいと考えると泣けてくるので、たまにこんなナンセンスなものをネットで見つけてきて何も考えないでゲラゲラ一人で笑っているのですが、一人パソコンの前でこんなものを開いて笑っている姿自体がネクラなのかも…。それに、この面白さは日本人じゃないとわからないと思います。「あぁ、やっぱり自分は日本人なんだな」と思ってしまう瞬間でもあります。

日本ブレイク工業社歌
外山恒一政見放送
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# by coast_starlight | 2007-06-06 13:01 | 日々の出来事

<日々の出来事> ボストンで歯医者に行く(その6)

約二週間前に親知らずを抜いてから卒業旅行などでドタバタしていてちょっと記事が書けないでいました。

ところで今日親知らずを抜いてから2回目の診察に行ってきました。前回(5月25日)の診察の際、あまりに下あごが両側とも痛むので「何とかしてくれ」と頼んだところ「おそらくドライソケットが起こっているのでしょう」と言われ、その痛みを和らげるためにイソジンのようなものが入った茶色い詰め物を歯を抜いたところに入れられました。ドライソケットとは、歯を抜いた部分の骨がむき出しになってしまい、そこが炎症を起こしてしまうことにより起こる痛みです。また、その部分が穴になっているため食事のたびに食べかすが詰まり、それが当たるとさらに痛みを感じます。加えて痛み止めにイブプロフェンとアセトアミノフェンという薬を処方されましたが、処方された量について医者である日本人同級生に聞いたところ「多い」とのこと。イブプロフェン600ミリグラム錠を6時間に1錠、というのは確かに素人でも多いのでは?と思います。だって市販のイブプロフェンは1日に1200ミリグラム以上とるなって書いてあるんだもん。痛みをとるか、薬漬けになることをとるか…どうしようもなく痛いときは薬漬けになっていましたが。

a0079741_4101939.jpgちなみに、前回の診察の際にもらったのがこの秘密兵器。この注射器のような「水鉄砲」を歯を抜いた箇所に命中させ、水圧で食べかすを取り除きます。歯科衛生士のおばさんはこれのことをシリンジと呼んでいました。日本の歯医者ではこういうものを患者にくれるのでしょうか?これやり始めると結構やみつきになるのですが、口を開けて歯の奥にこれの先端を命中させるべく鏡を見ている姿は滑稽きわまりありません。これを手にした日から、外出先で食事をした際には身障者用トイレなどの個室トイレを探す日々が始まりました。

ところで納得いかないのが今日診察に行った際の歯科衛生士のおばさんの一言。「何で来たの?」って、そりゃ、用事があるからに決まってるじゃない…。歯を抜いた後のフォローアップは1回というのが相場だと言いたいのかもしれません。「下あごがまだ痛むときがあるんですけど」と言い訳しましたが、どうやらフォローアップは原則無料でお金をとれないからというのも理由かも、と思いました。抜歯した箇所自体は普通に回復しているようなので安心しましたが、秘密兵器をもう一つもらって帰る際「何かあったら電話するように」とは言われましたが、これは「何もなければ電話するな」という意味ともとれました。
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# by coast_starlight | 2007-06-05 04:12 | 日々の出来事

<日々の出来事> ボストンには梅雨がある?

5月に入ってからのボストンの天気はかなり変です。先週の今頃は25度くらいあって外は夏の格好をしている人であふれていたのに、ここ数日は朝晩5~6度、昼間でも最高15度くらいまでしか上がらず、しかも雨続き。そのため冬用ジャケットがまだ手放せずにいたりします。昨年の5月はもっとひどくて、確か31日中25日くらい雨だったような気がします。その分晴れた日のありがたみは大きく、晴れた日はレストランやカフェが屋外に座席を設けそこには人があふれています。先週月曜日に自宅でパーティーを開いたときのさわやかな気候は幻だったのか、と思いたくなるほどです。そのせいかこちらの人はよく天気の話をすると思います。子供の頃カリフォルニアに住んでいたときは毎日大して天気が変わらないから天気を話題にすることはなかったのですが(ただしサンフランシスコは別)、今ここで暮らしていると日本にいた時以上に気候に敏感な気がします。

ところで季節の変わり目のせいかアトピー持ちの私は肌の調子が非常に悪く、胸から上に湿疹ができていて困っています。以前大学の診療所でアレルギー検査をしたところ、あらゆる雑草やコケ(の胞子)などに反応が出たのですが、どうやらそういうものが飛び交っているらしい。かといって外に出ない訳にもいかないし、こまめに体を洗いつつ保湿対策をしっかりするといった対症療法で臨むしかないようです。

天気に関する現時点での最大の心配事項は、卒業式の日に雨が降らないかどうかということです。ハーバード大学の卒業式には雨が降らないという言い伝えがあったにもかかわらず昨年の卒業式は大雨で、見送る卒業生の方々が気の毒でした。今年の卒業式は6月7日。月並みにてるてる坊主でもつくろうかな…。
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# by coast_starlight | 2007-05-21 05:17 | 日々の出来事

<日々の出来事> ボストンで歯医者に行く(その5)

※その1~その4については昨年7月・8月の記事を参照ください。

a0079741_1551530.jpg帰国前にやっておきたかったことの一つとして、「親知らずを抜く」というのがありました。学校も終わりに近づき(まだテストが2つあるのですが)日本の会計年度も変わったので、ついに実行することにしました。私の入っている歯科医療保険は日本のものであるため、日本の会計年度(4月~3月)中で上限額が決まっています。昨年夏に歯茎の手術をしてそれでかなりの額を使ってしまっているため(過去の記事を参照ください)、親知らずを抜くのは保険でカバーされる上限額がリセットされる4月以降と決めていました。日本だったら3割負担ですがこちらだと上限額までは自己負担がありません。これだけでもかなりの額の節約になるというのと、アメリカの歯科医療に興味があったのとでアメリカでやることにしました。

しかし、ここまでくる道のりが長かった…。3月に普通の歯科に定期健診に行った際「親知らずを抜きたいんですが」と言ってその専門の歯医者を紹介してもらい、そこに初回カウンセリングに行く予約をとれたのが4月中旬。その後実際に歯を抜く予約がとれたのが5月17日。何で2ヶ月もかかるの?と言いたいのですが、急ぎじゃない予約はものすごく先になるのがどうやらこちらのやり方のようです。予約の中身で緊急度を見分け、急ぎの人のために枠を空けておくためかもしれません。従って「これこれの事情があるのでもっと早く予約をとりたいのですが可能ですか?」などと粘ったらもっと早くなったかもしれません。今回は学校のスケジュールなどで先でも良かったのでおとなしく5月17日で良いと答えました。日本で生活しているときは、私は自分の言いたいことを割とストレートに言ってしまうほうなのか「わがまま」とか「自己主張しすぎ」などいろいろな人から言われましたが、こちらにいると自己主張が足りないと思うことがよくあります。どちらが正しいというのはないと思いますが、そのギャップに今更ながら気疲れすることはあります。ある意味、日本に戻ってからがちょっと心配…。

ところでカウンセリングに行った際驚いたのが、麻酔の選択肢が5つもあり、それを自分で選べと言われたことです。

1.局所麻酔のみ
2.局所麻酔+笑気ガス
3.バリウム(valium…胃の検査をするbariumとは違って精神安定剤のこと)+局所麻酔
4.バリウム+局所麻酔+笑気ガス
5.静脈内鎮静法

の5種類があったのですが、私は多くの人が選択するというバリウム+局所麻酔+笑気ガスを選択しました。5.の静脈内鎮静法は何か大げさだな…と思ったこともあります。これは全身麻酔に近いようで、6~8時間前からは何も食べたり飲んだりしてはいけないようです。笑気ガス(125ドル)は保険によってはカバーされない場合もあるので、自己負担額を抑えたいならそれを事前に調べるように、とも言われました。こちらに来てから事前にいくらお金がかかるかを確認するクセがつきました。ところで麻酔については私自身痛みに対する耐性が低いアメリカ人に近づいてきたのかも?何せこちらでは出産はほぼ皆無痛分娩ですから…。「お腹を痛めたからこそ子供に愛情を感じるようになる」などといった考えは基本的にないようです。以前日本で助産婦の資格を持つ研究者の方とお話をした際、なぜアメリカは無痛分娩が主流なのかと尋ねたところ、麻酔医の数の問題などもありますが、アメリカ人は痛みに対する耐性が低いから麻酔を使わないとわめき叫んで大変だからだと思う、と言われて妙に納得したことがありました。確かに耐えるという考えがないからなぁ…。精神論が通用しないアメリカ人らしいかも。

というわけで5月17日の朝歯医者に向かう前にバリウムを飲み歯医者に向かいました。9時の予約時間きっかりに診察室に呼ばれ、いきなり笑気ガスを吸わされ麻酔をかけられました。笑気ガスは初めて経験しましたが、手足の先からじわーっと気持ちよくなってくるというか、妙な恍惚感を少しの間味わうことができました。その後歯の近くに麻酔注射をしているなーということを、チクチクっとした軽い痛みで感じました。その後10分くらい麻酔が効くのを待った後、先生がやってきて抜歯が始まりました。

a0079741_1594599.jpgまずは普通に生えている(でも10度くらい傾いている)上の歯2本から。これはあっさり抜けました。問題は下の歯2本。1本はかなり奥のほうまで歯茎にもぐっていたので、歯を真っ二つに切断して抜いていました。この間意識はあったのですが何か頭がボーッとしていて、歯を抜くときは強い力がかかっていたのがわかったのですが特に痛みはなく割とスムーズに進みました。この歯医者は顎顔面外科手術(maxillofacial surgery)専門の歯医者で、かなり慣れているという感じでした。抜歯自体は全部で30分もかからずして終わりました。その後ホストファミリーのおじさんに迎えに来てもらうまで(誰かに迎えに来てもらう手配をするよう歯医者から言われた)ベッドのある部屋で横になって待っていました。電気がなくて何か暗い気分になったのは否めませんでしたが。約20分後おじさんが迎えに来てくれ、下の薬局で痛み止めの薬をもらって11時には家に戻ることができました。


ちなみに会計の明細は以下の通り。

上の歯2本 $390 (erupted tooth)
下の歯1本 $725 (complete bony)
下の歯1本 $600 (partial bony)
笑気ガス  $125
合計     $1840

下の歯が高いのは、歯が歯茎にもぐっていたからです。その分手がかかるからなのでしょうが、それにしてもかなりの差!もし4本とももぐっていたらもっと高くなっていたのかと思うと恐ろしい。これに前回のカウンセリング費用$340が加わり、総額$2180(約26万円)。ひえー!日本で親知らずを抜くのにこんなにするのかなぁ…。たぶんしないと思います。

そんなわけで今日は家でおとなしくしているつもりです。テスト勉強はやる気もしないし、とりあえずDVDでも見るかな…。
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# by coast_starlight | 2007-05-18 01:59 | 日々の出来事