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<日々の出来事> ボストンで歯医者に行く(その5)

※その1~その4については昨年7月・8月の記事を参照ください。

<日々の出来事> ボストンで歯医者に行く(その5)_a0079741_1551530.jpg帰国前にやっておきたかったことの一つとして、「親知らずを抜く」というのがありました。学校も終わりに近づき(まだテストが2つあるのですが)日本の会計年度も変わったので、ついに実行することにしました。私の入っている歯科医療保険は日本のものであるため、日本の会計年度(4月~3月)中で上限額が決まっています。昨年夏に歯茎の手術をしてそれでかなりの額を使ってしまっているため(過去の記事を参照ください)、親知らずを抜くのは保険でカバーされる上限額がリセットされる4月以降と決めていました。日本だったら3割負担ですがこちらだと上限額までは自己負担がありません。これだけでもかなりの額の節約になるというのと、アメリカの歯科医療に興味があったのとでアメリカでやることにしました。

しかし、ここまでくる道のりが長かった…。3月に普通の歯科に定期健診に行った際「親知らずを抜きたいんですが」と言ってその専門の歯医者を紹介してもらい、そこに初回カウンセリングに行く予約をとれたのが4月中旬。その後実際に歯を抜く予約がとれたのが5月17日。何で2ヶ月もかかるの?と言いたいのですが、急ぎじゃない予約はものすごく先になるのがどうやらこちらのやり方のようです。予約の中身で緊急度を見分け、急ぎの人のために枠を空けておくためかもしれません。従って「これこれの事情があるのでもっと早く予約をとりたいのですが可能ですか?」などと粘ったらもっと早くなったかもしれません。今回は学校のスケジュールなどで先でも良かったのでおとなしく5月17日で良いと答えました。日本で生活しているときは、私は自分の言いたいことを割とストレートに言ってしまうほうなのか「わがまま」とか「自己主張しすぎ」などいろいろな人から言われましたが、こちらにいると自己主張が足りないと思うことがよくあります。どちらが正しいというのはないと思いますが、そのギャップに今更ながら気疲れすることはあります。ある意味、日本に戻ってからがちょっと心配…。

ところでカウンセリングに行った際驚いたのが、麻酔の選択肢が5つもあり、それを自分で選べと言われたことです。

1.局所麻酔のみ
2.局所麻酔+笑気ガス
3.バリウム(valium…胃の検査をするbariumとは違って精神安定剤のこと)+局所麻酔
4.バリウム+局所麻酔+笑気ガス
5.静脈内鎮静法

の5種類があったのですが、私は多くの人が選択するというバリウム+局所麻酔+笑気ガスを選択しました。5.の静脈内鎮静法は何か大げさだな…と思ったこともあります。これは全身麻酔に近いようで、6~8時間前からは何も食べたり飲んだりしてはいけないようです。笑気ガス(125ドル)は保険によってはカバーされない場合もあるので、自己負担額を抑えたいならそれを事前に調べるように、とも言われました。こちらに来てから事前にいくらお金がかかるかを確認するクセがつきました。ところで麻酔については私自身痛みに対する耐性が低いアメリカ人に近づいてきたのかも?何せこちらでは出産はほぼ皆無痛分娩ですから…。「お腹を痛めたからこそ子供に愛情を感じるようになる」などといった考えは基本的にないようです。以前日本で助産婦の資格を持つ研究者の方とお話をした際、なぜアメリカは無痛分娩が主流なのかと尋ねたところ、麻酔医の数の問題などもありますが、アメリカ人は痛みに対する耐性が低いから麻酔を使わないとわめき叫んで大変だからだと思う、と言われて妙に納得したことがありました。確かに耐えるという考えがないからなぁ…。精神論が通用しないアメリカ人らしいかも。

というわけで5月17日の朝歯医者に向かう前にバリウムを飲み歯医者に向かいました。9時の予約時間きっかりに診察室に呼ばれ、いきなり笑気ガスを吸わされ麻酔をかけられました。笑気ガスは初めて経験しましたが、手足の先からじわーっと気持ちよくなってくるというか、妙な恍惚感を少しの間味わうことができました。その後歯の近くに麻酔注射をしているなーということを、チクチクっとした軽い痛みで感じました。その後10分くらい麻酔が効くのを待った後、先生がやってきて抜歯が始まりました。

<日々の出来事> ボストンで歯医者に行く(その5)_a0079741_1594599.jpgまずは普通に生えている(でも10度くらい傾いている)上の歯2本から。これはあっさり抜けました。問題は下の歯2本。1本はかなり奥のほうまで歯茎にもぐっていたので、歯を真っ二つに切断して抜いていました。この間意識はあったのですが何か頭がボーッとしていて、歯を抜くときは強い力がかかっていたのがわかったのですが特に痛みはなく割とスムーズに進みました。この歯医者は顎顔面外科手術(maxillofacial surgery)専門の歯医者で、かなり慣れているという感じでした。抜歯自体は全部で30分もかからずして終わりました。その後ホストファミリーのおじさんに迎えに来てもらうまで(誰かに迎えに来てもらう手配をするよう歯医者から言われた)ベッドのある部屋で横になって待っていました。電気がなくて何か暗い気分になったのは否めませんでしたが。約20分後おじさんが迎えに来てくれ、下の薬局で痛み止めの薬をもらって11時には家に戻ることができました。


ちなみに会計の明細は以下の通り。

上の歯2本 $390 (erupted tooth)
下の歯1本 $725 (complete bony)
下の歯1本 $600 (partial bony)
笑気ガス  $125
合計     $1840

下の歯が高いのは、歯が歯茎にもぐっていたからです。その分手がかかるからなのでしょうが、それにしてもかなりの差!もし4本とももぐっていたらもっと高くなっていたのかと思うと恐ろしい。これに前回のカウンセリング費用$340が加わり、総額$2180(約26万円)。ひえー!日本で親知らずを抜くのにこんなにするのかなぁ…。たぶんしないと思います。

そんなわけで今日は家でおとなしくしているつもりです。テスト勉強はやる気もしないし、とりあえずDVDでも見るかな…。
by coast_starlight | 2007-05-18 01:59 | 日々の出来事


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